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MEDIA インバウンドマーケティング総合研究所

【スノーツーリズム:2024-25最新動向】消費の90%はインバウンド! データに見る拡大トレンドと今から備えるべき戦略とは

世界的に旅行需要が急回復を迎える中で、日本のスキーリゾートはかつてないほどの注目を集めています。2024年から2025年にかけては、これまで以上にインバウンド需要が高まり、その消費が全体の90%を占めるという指標も示されています。日本独自の魅力であるジャパウ(Japan Powder Snow)や豊富な温泉文化、洗練された食事などが世界から熱い視線を集め、各地のスキー場は外国人旅行者で賑わいつつあります。

本記事では、VISAが発表した最新のデータをもとに、拡大するスノーツーリズムの傾向を探りながら、これからのシーズンに必要な戦略や課題、そして今後の市場予測について詳しくご紹介します。多様化する旅行者の目的や国籍を踏まえ、スキーリゾート全体を取り巻く消費トレンドや観光動向を掘り下げることで、地域や事業者が今から取り組むべき施策を具体的に考察していきます。

【スノーリゾート市場、驚異的な成長】 インバウンド消費の加速

2024年〜2025年にかけて、日本のスノーリゾートは過去最高レベルの賑わいを見せています。VISAの調査結果では、訪日外国人のスキー・スノーボード旅行予約数が前年比2倍以上という驚きの数字が示されました。すでに2023年の段階でスキー場全体の訪問者数が前年比約40%増加という報告もあり、来シーズンに向けてさらなる伸びしろを感じさせます。
この背景には、世界的に「ジャパウ」と称賛される日本独自のパウダースノーが存在します。特に北海道や長野は最高品質の雪質で知られており、オーストラリアやアメリカ、シンガポールなどの温暖な地域から雪を求める富裕層が集結する構図が顕著です。また、近年の円高傾向が国際的な旅行者による高額消費を後押しし、日本のスノーリゾートはプレミアムな観光地として再評価が進んでいます
これらの要因によって、単純にスキーやスノーボードを楽しむだけでなく、周辺地域での観光体験や食事、温泉などを求める長期滞在型の旅行者が増えています。観光当局や地域DMOもこの動きを捉え、新たな施策やインフラ整備にますます力を注いでいくことでしょう。

ー 日本はスキーヤーの行きたい国トップクラス ー

VISAカード会員のデータによると、日本はスキーを楽しむ場所として、世界中から支持されています。また、スキー後の観光も魅力となっています。
なお、インバウンド客は、スキー観光地で国内の観光客よりも1日あたり約4倍多く消費しているとのことです。

  • 訪日客の出身国籍・地域別ランキング
        1.オーストラリア 2.アメリカ 3.シンガポール 4.台湾 5.中国 
        6.香港 7.タイ 8.ニュージーランド 9.マレーシア 10.イギリス
  • スキー後の訪問地ランキング
        1.東京 2.北海道 3.長野 4.千葉 5.大阪 
        6.山口 7.京都 8.新潟 9.神奈川 10.広島

【訪問者動向と消費トレンド】

購買力の高いインバウンド需要が拡大し、地域経済に大きく貢献する形でスノーリゾートが盛り上がっています。以下のデータからは、訪問者の属性や滞在スタイルの多様化が進んでいることが見て取れます。

  • 海外からの訪問者数:約50%増加
  • スキーリゾート地以外でも観光消費が拡大(スキー後に平均9日間、日本国内を周遊)
  • タッチ決済利用率:海外旅行者で84%に達し、消費体験が向上

これらの数字は単なる増加を示すだけでなく、一度の旅行で複数の地域を回る「周遊型インバウンド旅行」がいかに大きな市場を形成しているかを明確に示しています。スキー場近辺だけでなく、地方都市や隣接エリアにまで足を伸ばすケースが多く、宿泊や外食、買い物などでさらなる消費を生み出しています

【国・地域別の訪問者動向】

近年のインバウンド市場において、日本のスキーリゾートは世界中から高い評価を受け、多国籍な旅行者がスノーアクティビティを目当てに来日しています。国や地域ごとに目的や旅行スタイルが異なるため、マーケティング戦略の緻密さが求められています。

特に顕著なのはオーストラリアからの旅行者で、全体の約30%を占めるほど大きなシェアを誇りますニセコやルスツ、富良野などの北海道エリアがブランド化されており、「オーストラリア人スキーヤーにとっての夢のスキー地」として定着済みです。雪質やスキーインフラの充実に加えて、英語表記の案内や英語での接客対応が整備されていることも人気の要因です。

続いてアメリカからの旅行者は約20%を占めます。アメリカ国内にも雪質の優れたコロラド州やユタ州などの一流スキーリゾートがあるにもかかわらず、日本を選ぶ理由は「特別なパウダースノー体験」と「日本文化の融合」にあります。温泉や地元のグルメ、高いおもてなし文化への期待から、アメリカ人スキーヤーは一度日本を訪れるとリピーターになるケースが多いです。

さらに、東南アジア(シンガポール、タイ、マレーシアなど)からの旅行者は全体の約15%を占めています初めてのスキー体験を日本で行いたいと考える層が多く、リゾートでのアクティビティを楽しんだ後は東京や大阪、京都などの主要都市部で買い物や観光をじっくり満喫する傾向にあります。いわゆる「スキー+観光」の二本立てで旅程を組むスタイルが定着しやすい点が特徴です。

一方、中国本土からの旅行者は約5%と控えめな数字ですが、個別手配旅行(FIT)や高所得者層を中心に根強い需要があります。訪日リピーターや日本文化への理解が深い層が多く、まだ国際情勢や渡航規制の影響が残っている部分もあるため、今後の状況次第で大きく伸びる可能性があります。

【地域別人気動向】

人気スキーリゾート地はそれぞれ特徴的なブランディングに成功しており、国や地域ごとにターゲットを明確化したプロモーションが行われています。各地が差別化を図ることで、国内外からのリピーター獲得に力を入れています。

ー ニセコ ー
日本のスキー観光地の中でも抜群の知名度を誇り、海外からのスキー観光客の約50%を集めています。特にオーストラリア、アメリカ、イギリスなどの英語圏からの富裕層が多く訪れます。高額な宿泊施設やレストラン、ゴルフコースなどがあり、四季を通じたプレミアム体験を提供することで、冬季に限らず、日本有数のリゾートとしてブランド力を高めています

ー 白馬 ー
海外からのスキー観光客の約35%が訪れる人気エリアです。近年は香港、台湾、シンガポールなどアジア圏の訪問者が増加し、ファミリー層の長期滞在も目立ちます。新たなホテル開発や交通インフラの充実によって、スキー初心者向けレッスンやゴンドラ設備の拡充が行われています。「冬季+グリーンシーズン」の二軸で観光誘致を行い、通年型リゾートを目指している点が特徴です。

ー 富良野 ー
国内の訪問者が約55%を占めるものの、海外からの訪問者も前年比約70%増という急成長を遂げています。良質なパウダースノーに加え、街とリゾートが比較的近い立地が魅力です。ニセコがハイクラスリゾートとしての地位を確立する中、富良野はコストパフォーマンスを重視する旅行者やファミリー層を取り込み、幅広い層に支持されています。

【国の後押しと地域施策の加速】

観光庁が主導する「スノーリゾート地域のインバウンド誘客促進事業」により、多言語対応や交通アクセスの整備、効果的なマーケティング施策が全国規模で進んでいます。具体的には無料Wi-Fiスポットの設置や、外貨決済の導入支援、観光案内所での多言語スタッフの常駐など、外国人旅行者が快適に滞在できる環境づくりが一層強化されています。

また、地域DMOとの連携によって、単なるスキー旅行のみならず、地域全体を舞台にした食や文化体験を楽しんでもらおうという動きが盛んになっています。たとえばスキーとセットで地元の伝統工芸や祭り、農産物収穫体験などに参加できるプランが増加し、滞在日数を延ばす工夫が各地で展開されている状況です。このような誘客促進策は、観光公害(オーバーツーリズム)対策にも配慮しながら行われています。リゾート周辺だけでなく、周遊先の観光地へ分散することで混雑を緩和し、地域住民との共生や自然環境の保護を重視する「サステナブル観光」の考え方が広がっています。

【消費スタイルの変化:タッチ決済が牽引する新しい消費体験】

VISAのレポートによると、スキーリゾート地におけるタッチ決済率は80%を超え、わずか2年で倍増したとされています。海外からの訪問者にとっては、クレジットカードや電子マネーのタッチ決済が主流であり、日本国内でも対応が進むことでストレスなく消費を楽しめるようになっています。
特に、小規模なレストランや土産物店などでは、以前は現金決済が主流でした。しかしグローバルスタンダードに合わせる形で無理のない導入支援が行われ、近年では店頭決済の84%以上がタッチ決済という事業者も出てきています。こうした決済手段の多様化によって、外国人旅行者の支払いがスムーズになり、消費額増加にもつながる好循環が生まれています。
タッチ決済は利便性やスピードだけでなく、防犯上のメリットも大きいため、今後もスキーリゾート地を中心に普及が進むとみられます。インバウンド需要が高まるほど、このようなキャッシュレス化の取り組みは強い追い風となり、地域経済の活性化に寄与します。

【2025年シーズンの予測と今から備えるべきこと】

ここまでの分析やデータを踏まえると、2025年にかけてスノーリゾート市場はさらに拡大すると予想されます。訪日外国人全体の増加をはじめ、スキー目的の周遊型旅行の定着、そして持続可能な観光ブランドとしての差別化が大きなテーマとなるでしょう。
以下に主要な予測を整理します。

  • 訪日外国人全体の増加(政府目標:2030年6000万人)
  • 欧米豪+アジア圏からのスキーインバウンド市場拡大
  • 長期滞在・周遊型旅行(スキー+地方観光)の定着
  • 「サステナブル観光地」としてのブランド競争が加速

こうした局面に対応するためには、地域やスキーリゾート運営者だけでなく、宿泊施設や交通機関、各種サービス業者が一体となって総合的な体験価値を向上させる必要があります。特にグローバル基準のサービスと日本ならではのおもてなしをどのように融合させるかがポイントとなります。
具体的には以下のような施策が重要です。

  • 多言語対応とキャッシュレス対応の徹底
  • タッチ決済対応で、交通・宿泊・飲食など一貫した「ストレスフリー体験」を設計
  • ターゲット別プロモーション強化
  • 欧米向け:パウダースノー+アクティビティ
  • アジア向け:ファミリー層・体験型コンテンツ
  • オフシーズン収益化策の開発
  • 夏季リゾート活用(トレッキング、グランピング、アートイベントなど)
  • 持続可能な観光施策の導入と情報発信
  • 自然保護、地域住民との共生、エシカル消費への取り組みを明確にアピール

さらに、IT化やDXの波に乗り遅れないためにも、オンライン予約やバーチャル体験の充実が重要視されています。AI技術を活用した翻訳システムや、SNSを使った口コミ拡散戦略などを組み合わせて、海外潜在顧客への効果的なリーチを目指す動きが求められます。
また、観光公害を回避する観点からは、適正な宿泊施設のキャパシティ管理や、周辺観光地との協力による訪問者分散などが現実的な課題となっています。特にピークシーズン中の道路渋滞や交通混雑は地域住民に負担をかけるため、自治体や警察、民間企業が一丸となった試験的な施策が必要です。
今後は、海外の富裕層のみならず、多様な層へのアプローチが求められます。具体的には、ビギナースキーヤー向けのレッスンプログラムや、家族で楽しめる雪遊びコンテンツなど、スキー以外の余暇体験が充実している地域ほどリピーターを獲得しやすいです。さらに、近隣都市への交通アクセスの良さや、温泉、食事、文化体験との組み合わせをアピールすることで、より長期の周遊を促すことができます。
つまり、クオリティの高い雪と魅力的な日本文化を掛け合わせた観光商品の開発が、スノーツーリズムの大きな可能性を引き出す鍵になります。各事業者が単独で取り組むだけでなく、横の連携を通じて観光全体の底上げを図ることが戦略的に重要です。

【まとめ】

2025~26年シーズンに向けて、インバウンド需要はさらに拡大が見込まれます。多言語対応やキャッシュレス決済環境の整備に力を注ぎ、スキー場と周辺観光地が一体となって魅力的な体験を提供できる体制を整えることが必要です。また、サステナブルな観光資源としての価値を高めるために、自然環境保護や地域社会への配慮を活動の中心に据えることが望まれます。

日本のスノーツーリズムは海外からのインバウンド需要に大きく支えられ、経済効果を地域全体に波及させる原動力として位置づけられています。オーストラリアやアメリカなどの富裕層にとっては高級リゾート地として、東南アジアなどのアクティビティ重視層にとっては新鮮な雪体験の場として、これからも大きな期待が寄せられているのです。そして2030年に向けた政府目標の実現に向けて、各地がその魅力を最大化しながら、周遊型インバウンドへの対応を強化していくことが日本観光産業のさらなる飛躍につながるでしょう。

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