【目次】
インバウンド集客を成功させるためには、単にサービスを提供するだけでなく、積極的にクチコミを収集し、分析し、適切に対応する「クチコミ対策」が不可欠です。ここからは、クチコミがインバウンド集客に必要な理由を解説します。
訪日外国人観光客は、旅行の計画から宿泊施設、飲食店、観光スポット選びまで、インターネット上のクチコミを非常に重視します。彼らにとって、見知らぬ土地での「失敗したくない」という思いは強く、実際にその場所を訪れた人の生の声は、旅行ガイドブックや公式サイトよりも信頼できる情報源だからです。
特に、言葉や文化の壁がある中で、多くの外国人は自分と似たような状況の旅行者の意見を参考にします。Googleマップのレビュー、トリップアドバイザー、Booking.com、Agodaといった旅行予約サイト、さらにはInstagramやX(旧Twitter)などのSNSは、彼らが情報を得る主要なプラットフォームです。これらの多岐にわたるクチコミ情報は、訪日外国人観光客の購買決定に大きな影響を与えています。
良いクチコミは、国境を越えてインターネット上で多言語にわたり拡散し、潜在的な訪日外国人観光客へ強力にアピールします。これは、企業が発信する広告とは異なり、ユーザー自身が発信する情報だからこそ「宣伝感」が薄く、より自然な形で信頼性高く伝わるためです。結果として、サービスや商品のブランド認知度が飛躍的に向上し、新たな顧客獲得へと直結します。
特にインバウンド集客においては、英語だけでなく、中国語、韓国語、タイ語など、多様な言語でのクチコミが存在することが非常に重要です。例えば、中国語圏からの旅行者はWeChatや小紅書(RED)で、韓国からの旅行者はNaverブログなどで情報を収集することが一般的です。これらのプラットフォームで自社の良いクチコミが共有されることで、より幅広い国や地域の旅行者層にリーチできるようになります。
多言語でのクチコミは、まるで世界各地に自社の「生きた広報大使」がいるようなものです。これにより、ターゲットとなる国の旅行者に対して、言語の壁を越えたリアルな魅力が伝わり、強い来訪動機を生み出すことができます。
クチコミは、訪日外国人観光客があなたのサービスや商品に対し、具体的にどのような点に満足し、あるいは不満を感じているかを明確に示してくれる、まさに「生の声」です。
例えば、「〇〇が美味しかった」「スタッフの対応が親切だった」といったポジティブなフィードバックは、あなたの施設の強みを再認識させ、それをさらに伸ばすヒントになります。一方で、「Wi-Fiの接続が悪かった」「英語が通じなくて困った」といったネガティブな意見は、改善すべき具体的な課題を浮き彫りにしてくれます。これらは、単なる苦情ではなく、サービス向上のための貴重な情報源となるのです。
これらのクチコミを定期的に分析することは、顧客が本当に求めているニーズを正確に把握するに役立ちます。その情報を元に、サービスの弱点を改善したり、既存の強みをさらに強化したりすれば、競合施設との明確な差別化を図ることも可能です。顧客の声に耳を傾け、それを迅速にサービス改善に繋げる姿勢は、結果的に顧客満足度を高め、リピーターの獲得や新規顧客の呼び込みに貢献するでしょう。
訪日外国人観光客が利用するレビューサイトは、国や地域によって多岐にわたります。各市場の特性を理解し、適切なサイトで情報発信やクチコミ対策を行うことが、効果的なインバウンド集客に繋がります。ここからは市場別によく使われるレビューサイトを紹介します。
中国では、独自のインターネット規制と文化により、海外の一般的なプラットフォームとは異なるサイトが主流です。
大衆点評(Dianping)は、飲食店、ショッピング、サービス全般の総合レビューサイトで、情報収集から予約まで一貫して利用できます。特に飲食店の検索では圧倒的な影響力を持っているのが特徴です。
小紅書(RED)は、ファッション、美容、旅行といったライフスタイルに特化したSNS型ECプラットフォームで、ユーザーの体験共有が購買に直結しやすく、写真や動画による視覚重視のクチコミが盛んです。
また、国民的SNSであるWeChat(微信)では、公式アカウントや友人間の共有を通じて情報が拡散します。中国最大のOTAであるCtrip(携程旅行)やTrip.comも、予約と合わせて観光スポットや飲食店のレビューが豊富です。
台湾では、日本の情報への関心が高く、多様な情報源からクチコミを収集します。
日常的に利用されているGoogle マップやGoogle レビューは、観光地の検索から飲食店、宿泊施設のレビューまで幅広く参照されます。
SNSでは、利用率が高いFacebookで個人や店舗のページ、グループでの情報共有やクチコミが活発です。若年層を中心に、写真や動画での視覚的な情報収集・発信が盛んなInstagramも重要なツールです。
また、世界的に利用されているTripAdvisor(トリップアドバイザー)も、観光スポットや宿泊施設、飲食店のクチコミを参考にする際に広く使われています。
台湾人観光客は、これらのサイトを横断的に利用し、多角的に情報を比較検討する傾向があります。
韓国でも、独自のプラットフォームの利用が目立ちますが、国際的なサイトも併用されます。
NAVER(ネイバー)ブログ / カフェは、韓国最大の検索エンジンNAVERが提供するブログサービスやコミュニティで、旅行記や体験談といった詳細なクチコミが活発に共有されます。特に詳細な情報を求めるユーザーが利用するケースが多いです。
世界的に普及しているGoogle マップやGoogle レビューも、韓国人観光客に広く利用されています。視覚的な情報が重視される傾向から、若い世代を中心にInstagramも重要な情報収集・発信ツールです。
また、観光スポットや宿泊施設を探す際には、TripAdvisor(トリップアドバイザー)も参考にされることがあります。
東南アジア諸国では、スマートフォンとSNSの利用率が非常に高く、視覚的な情報が重視される傾向が顕著です。
Google マップ / Google レビューは、スマートフォンと連携した地図機能と共に、レビューが広く参照されます。Facebookは、各国で高い利用率を誇り、個人間の情報共有やコミュニティでのクチコミが活発です。
特に若年層を中心に、写真や動画コンテンツが情報収集の主要な手段となっているのがInstagramやTikTokです。インフルエンサーの投稿が購買行動に大きな影響を与えるため、SNSでの露出は非常に重要です。
また、TripAdvisor(トリップアドバイザー)も観光関連の情報収集に利用され、AgodaやBooking.comといった宿泊予約サイトのレビューも参考にされます。
アメリカ市場では、信頼性と利便性を重視し、比較的メジャーなグローバルプラットフォームが利用されます。
最も一般的に利用される情報源はGoogle マップ / Google レビューです。検索から店舗情報、レビューまで一元的に参照され、日常的な情報収集に不可欠です。
観光地やホテル、レストラン選びで最も信頼されるレビューサイトの一つがTripAdvisor(トリップアドバイザー)で、詳細なレビューや豊富な写真が特徴です。アメリカ国内で特に強い影響力を持つ地域情報・レビューサイトとしてYelpがあり、特に飲食店やサービス業のクチコミが充実しています。
また、ExpediaやBooking.comなどの大手オンライン旅行会社(OTA)も、宿泊施設選びに利用されることが多いです。
欧州市場も、アメリカ市場と近い傾向にありますが、国による差異も見られます。
最も広く利用される情報源はGoogle マップ / Google レビューです。欧州の多くの国で観光関連のレビューサイトとして強い影響力を持つのが、詳細なクチコミや多言語対応が魅力のTripAdvisor(トリップアドバイザー)です。
宿泊施設の予約とレビューの確認には、Booking.comやExpediaといった主要なOTAが広く利用されます。
また、特に若い世代を中心に、Instagramは視覚的な旅行情報を収集・発信する際に活用されています。
多言語でのレビューは、訪日外国人観光客の集客において非常に強力なツールとなります。ここでは、効果的に多言語レビューを集めるための具体的な方法を解説します。
顧客がレビューを投稿しやすい環境を整えることが最も重要です。まず、レジ横やテーブル、客室など、顧客の目に留まる場所に、日本語だけでなく、英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語、タイ語など、ターゲットとする言語でレビューを依頼する文言を掲示しましょう。「あなたの声をお聞かせください!」といった形で、レビューの重要性を伝えるのが効果的です。
また、Google マップやTripAdvisor、各OTAのレビューページに直接アクセスできるQRコードしましょう。スマートフォンで簡単に読み取れるため、顧客の手間を大幅に減らせます。
会計時やチェックアウト時に、レビュー依頼カードを手渡しするのも有効です。そこにQRコードやサイト名を記載し、感謝の言葉を添えることで、ポジティブな印象を与えられます。
さらに、予約時や利用後にサンクスメールやメッセージを送信し、その中にレビュー依頼のリンクを含めると、体験が鮮明な利用直後の顧客からレビューを引き出しやすくなります。
良いレビューは、良い体験から生まれます。多言語対応は、顧客満足度を向上させ、ポジティブなレビューを引き出す基盤となるので、積極的に対応を進めましょう。
まず、英語や中国語など、主要な言語を話せる多言語対応可能なスタッフの配置は、顧客に安心感を与え、満足度を高めます。もしスタッフの配置が難しい場合でも、音声翻訳機や翻訳アプリを活用することで、基本的なコミュニケーションは可能です。顧客との円滑なコミュニケーションは、快適な滞在に直結し、良いクチコミへと繋がります。
さらに、メニューや施設内の案内表示を多言語化することで、顧客の疑問や不安を解消し、よりスムーズで快適な滞在を提供できます。
言葉の壁を感じさせないきめ細やかな対応が、顧客の心に残り、ポジティブなレビューとして表現されるでしょう。
Googleのクチコミは、顧客が不満を感じた際に投稿されやすく、ネガティブな意見が集まりがちな傾向があります。しかし、インバウンド集客において高評価レビューは「無料でできる最強の広告」となるため、積極的に良いクチコミを集める戦略が不可欠です。
そこで有効なのが、STOREPADのような外部のクチコミ管理システムを活用することです。これらのシステムは、顧客がポジティブな体験をした直後に、スムーズにレビューを投稿できる仕組みを提供します。
具体的には、まずはSTOREPADなどの自社専用のクチコミ収集システムにポジティブなレビューを集めることを目指しましょう。顧客が満足したタイミングでレビュー依頼を行い、ポジティブなクチコミを蓄積していきます。
そして、自社システムに良いクチコミを投稿してくれた顧客に対し、さらにGoogleへの投稿も促すと非常に効果的です。これにより、Google上での評価も自然と高まり、より多くの外国人観光客の目に留まるようになります。外部システムを賢く利用することで、ネガティブなクチコミの偏りを是正し、店舗の真の魅力を多角的に発信できるようになります。
顧客がレビューを投稿しやすく、また閲覧しやすい状態にすることも重要です。
Google マップ、TripAdvisor、各OTAなど、利用されているレビューサイトの店舗情報やサービス内容を常に最新の状態に保ちましょう。営業時間、連絡先、提供サービスなどに誤りがあると、顧客は混乱し、ネガティブな印象を持つ可能性があります。正確な情報は、顧客の信頼を得る上で不可欠です。
また、魅力的で質の高い写真を充実させることも非常に重要です。写真が多いほど、顧客は興味を持ち、訪問意欲が高まります。さらに、レビュー投稿時にも写真が添えられやすくなり、視覚的なアピール力が増します。
加えて、自社のウェブサイトやSNSで、良いレビューを積極的に紹介しましょう。これは、潜在顧客へのアピールにも繋がり、集客効果を高めます。
レビューを「集める」だけでなく、その後の「対応」も非常に重要です。
ポジティブなレビューには感謝を伝え、ネガティブなレビューには真摯に謝罪し、改善策を提示するなど、全てのレビューに対して多言語で返信しましょう。これにより、顧客とのエンゲージメントを高め、サービスに対する誠実な姿勢を示すことができます。レビューへの返信は、できるだけ迅速に行うことが大切です。時間が経つと、顧客の関心も薄れてしまいます。
また、「ありがとうございます」といった定型文だけでなく、「〇〇を喜んでいただけて嬉しいです」といったように、具体的な内容に触れて返信することで、顧客は「自分の意見がちゃんと読まれている」と感じ、満足度が向上します。
レビューサイトで高評価を得ている店舗には、共通していくつかの成功要因が見られます。ここでは、それぞれの地域特性を活かしたモデルケースを3つご紹介します。
東京の下町にある創業100年以上の老舗和菓子店Aは、外国人観光客から絶大な支持を得て、高評価を集めています。
成功の秘訣は、伝統と革新の巧みな融合にあります。 昔ながらの製法を守りつつも、季節のフルーツを使った大福など、見た目にも美しいモダンな和菓子を開発。これらが「#映えスイーツ」としてInstagramなどのSNSで瞬く間に拡散され、特に欧米やアジア圏の若者から注目を集めました。
店内では、多言語での商品説明を徹底。商品ポップは日英中韓の4ヶ国語で表記され、原材料やアレルギー表示も明確です。積極的に試食を促すことで、言葉の壁を越えて誰もが商品の魅力を深く理解できるよう工夫されています。
最も評価が高いのは、その温かいおもてなしです。多忙な時間帯でも、店員は常に笑顔で顧客を迎え、簡単な英会話で商品の特徴や歴史を丁寧に説明します。来店客一人ひとりへのこのようなきめ細やかな対応が、GoogleレビューやTripAdvisorで「スタッフが親切」「居心地が良い」といった高評価に繋がっています。
さらに、購入した和菓子に多言語で「Thank you for visiting!」などの手書きメッセージを添えるサービスは、SNS上で「日本のおもてなし」として感動を呼び、さらなるポジティブなクチコミを生み出す原動力となっています。伝統の味と現代的な魅力、そして心温まるサービスが融合したことで、ほかでは体験できない体験ができると好評です。
大阪の賑やかな繁華街に位置するカジュアル居酒屋Bは、地元客と外国人観光客が共に大阪グルメを楽しめる人気店です。リーズナブルながら本格的な味が評判で、多くのレビューサイトで高評価を得ています。
成功の秘訣は、顧客への細やかな配慮と情報発信にあります。
分かりやすい多言語メニューは写真付きで、日英中韓の4ヶ国語に対応し、各料理の原材料や味の特徴(例:甘い、辛い、出汁の風味など)が簡潔に記載されているため、外国人でも安心して注文できます。
また、ライブ感あふれる調理風景も人気の理由です。カウンター席からは、串カツやたこ焼きが目の前で調理される様子が見えるオープンキッチンを採用。この臨場感あふれる光景は、海外のYouTubeやTikTokで「日本のストリートフード体験」として人気を博し、視覚的な魅力で新たな集客に繋がっています。
従業員のフレンドリーな接客も特筆すべき点です。簡単な英会話だけでなく、片言の韓国語や中国語でも積極的に顧客とコミュニケーションを図り、冗談を交えたり、お勧めの食べ方を教えてくれたりする親しみやすい姿勢が、Googleレビューなどで「スタッフが面白い」「アットホームな雰囲気」と絶賛されています。
さらに、SNSを活用した情報発信も抜かりありません。Instagramでは、美味しそうな料理の写真だけでなく、外国人スタッフが日本語を学ぶ様子など、店の日常を垣間見せる投稿も行い、親近感を高めています。これらの取り組みが相まって、多くの外国人観光客を魅了し続けています。
札幌近郊にあるCは、広大な敷地で四季折々の自然体験と地元の食材を活かした食事が楽しめる施設として、特にアジア圏から高い評価を得ています。
成功の秘訣は、北海道の自然を最大限に活かした体験と、きめ細やかな多言語対応にあります。 春には美しい花畑、夏にはラベンダー摘み、秋には紅葉、冬には雪遊びといった、北海道ならではの魅力的な四季折々の体験コンテンツを提供。これらのアクティビティは写真映えすることから、Instagramや中国の小紅書(RED)で多くの投稿が生まれ、視覚的に施設の魅力が拡散されました。
施設内のレストランでは、敷地内で採れた新鮮な野菜や北海道産の乳製品を使った、地産地消にこだわった料理を提供。多言語メニューに加え、食材の産地やこだわりを分かりやすく説明することで、食への関心が高い外国人観光客の心をつかんでいます。特に中国語圏のレビューサイトでは、「食材が新鮮で美味しい」「子供も楽しめる」といった声が多く見られました。
また、レビュー投稿を促す工夫も徹底しています。施設内の各所にGoogleマップやTripAdvisorへのレビュー投稿を促すQRコードを設置し、体験後や食後など、顧客の満足度が最も高いタイミングで積極的にレビューを依頼しています。
加えて、案内看板の多言語対応や体験プログラムのインストラクターによる簡単な英語での説明、そして困っている外国人観光客への積極的なサポートといったきめ細やかな多言語対応が、Booking.comなどのレビューで「ホスピタリティが高い」と評価される要因となっています。
インバウンド集客において、クチコミ対策はもはや不可欠です。なぜなら、訪日外国人観光客は、旅行先の決定から店舗選びまで、インターネット上のクチコミを非常に重視しているからです。彼らにとって、実際に体験した人々の生の声は、何よりも信頼できる情報源となります。
そのため、単に多言語レビューを多く集めるだけでなく、投稿されたひとつひとつのクチコミに多言語で丁寧に対応することが極めて重要です。ポジティブなレビューには感謝を伝え、ネガティブなレビューには真摯に耳を傾け改善策を示すことで、店舗の誠実な姿勢が伝わり、さらなる信頼へと繋がります。
このようにクチコミ対応を強化することは、顧客満足度を高めるだけでなく、「無料でできる最強の広告」として機能し、インバウンド集客を成功させる強力な武器となるでしょう。
私たち、インバウンドマーケティングジャパンは、
訪日外国人観光客の集客支援に”とんでもなく”特化。
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