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台湾・香港の外国人が選ぶ店、何が違う?ラーチーゴー活用の成功パターン5選

台湾からの訪日客は年間約676万人、香港からは約252万人。この2つの市場を合わせると、930万人近くの人が日本を訪れています*1。それなのに、多くの飲食店の集客対策は「英語メニュー」と「Googleマップ」で止まったままです。
台湾・香港客がどこで日本の情報を集めているか、ご存じでしょうか。その答えのひとつが「ラーチーゴー(樂吃購!日本)」です。彼らが日本旅行を計画する段階で開く訪日メディアで、日本語や英語の情報だけでは届かない層にリーチできます*2。裏を返せば、ここに店の情報がなければ、その分だけ台湾・香港客の検討候補に入りにくいということでもあります。
本記事では、ラーチーゴーとはどんなメディアなのかを整理したうえで、活用パターンを5つ紹介しながら、今から始める飲食店が何をすればいいのかを一緒に整理していきます。

【目次】

台湾・香港観光客の集客が「今」変わろうとしている理由

台湾・香港客を狙うなら、彼らが実際に使っている情報源に自分の店を置くこと。それがすべての出発点です。
2025年の訪日外客数は4,268万人となり、前年比15.8%増で初めて4,000万人を突破しました*1。台湾は約676万人で3位、香港は約252万人で5位と、両市場はインバウンドの中核を担っています*1。香港の人口規模(約751万人*3)を踏まえると、約252万人という訪日客数は決して小さくない規模だといえます。

台湾・香港発の「ラーチーゴー」が日本で注目される背景

ラーチーゴー(正式名称:樂吃購!日本)は、株式会社ジーリーメディアグループが2012年から運営する、台湾人・香港人向けの訪日観光メディアです。日本語が堪能な台湾人・香港人の編集部が現地目線で取材・執筆した記事を、繁体字中文で配信しています*2
ここで押さえておきたいのが、大衆点評との違いです。大衆点評は利用者が自由に星評価や口コミを投稿する「口コミプラットフォーム」ですが、ラーチーゴーは編集部が取材して記事を制作し、そこに広告やクーポン、動画、SNS投稿を組み合わせて送客する「メディア」です*2。つまり店舗側の関わり方も「登録して口コミに返信する」のではなく、「記事広告として取材・掲載してもらう」ことが基本になります。

  • 大衆点評(Dianping):中国大陸客が中心。利用者投稿の口コミが軸のプラットフォーム
  • ラーチーゴー:台湾・香港客が中心。編集部取材の記事と広告施策が軸のメディア
  • Googleマップ:国籍を問わず使われる、口コミベースの共通インフラ

つまり、大衆点評だけを整備しても、台湾・香港の930万人近い市場にはほとんど届かないのです。

なぜ飲食店はラーチーゴー対策を見落としていたのか

多くの飲食店がラーチーゴーの存在すら知らないまま営業しています。日本語のグルメサイトには詳しくても、繁体字圏のメディアまで意識が回らないのは無理もありません。
大衆点評に注力する店も、その延長でラーチーゴーを後回しにしがちです。「中国語対応はやっている」という感覚が、実は簡体字だけで止まっているケースは少なくありません。台湾・香港客からすると、簡体字の情報は「自分向けではない」と感じられることもあります。
ラーチーゴーへの対応がまだ手薄な店が多いという状況は、裏を返せば、今から情報を整えることで他店との違いを出しやすい状況ともいえます。

ラーチーゴー活用の成功パターン5選|台湾・香港客はなぜこの店を選ぶのか

ここからは、ラーチーゴーが提供する施策(記事広告・クーポン・動画・SNS・リターゲティング広告など*2)を組み合わせて成果につなげるパターンを5つ紹介します。いずれも一般的な傾向を整理した仮想的なパターンであり、特定店舗の実績数値ではありません。成果を保証するものでもありません。

パターン1:記事広告と写真で「季節限定」を訴求した高付加価値カフェ

駅から少し離れた立地に悩む都内のカフェを想定します。日本人客は安定していたものの、台湾・香港客の来店はほとんどありませんでした。
そこで取り組んだのが、ラーチーゴーへの記事広告掲載です。盛り付けやドリンクの色味が伝わる写真を用意し、繁体字中文の記事で「季節限定メニュー」の背景まで丁寧に説明してもらいました。ネイティブライターが取材する記事だからこそ、翻訳では伝わりにくいニュアンスまで言語化できます*2
記事公開後、台湾客の来店が緩やかに増えていったと見られます。台北のOL層が好むのは、味だけでなく「写真映えする体験」と「現地目線で紹介されている安心感」。その両方に応える記事内容が転機になった可能性があります。

パターン2:動画プロモーションで「家族向け」を打ち出した寿司レストラン

当初、この寿司店には香港客がほとんど来ていませんでした。カウンター中心の玄人向けの雰囲気が、家族連れには入りにくく映っていたのです。
改善のポイントは、動画プロモーションの活用でした。子ども向けメニューの有無や個室の広さ、アレルギー対応など、香港のファミリー層が気にする情報を動画で紹介してもらいました*2
香港では家族単位での外食文化が根強く、事前に安心材料が揃っている店を選ぶ傾向があります。予約前の不安を動画で解消したことが、家族客の来店増につながったと考えられます。

パターン3:クーポン設置で来店を後押しした居酒屋

居酒屋という業態は、記事だけでは魅力が伝わりにくい面があります。この店が狙ったのは、記事広告内への「クーポン設置」でした。
ラーチーゴーの記事にクーポンを組み込み、香港客が外食する時間帯に合わせて割引情報を発信しました。香港には夜遅くまで外食を楽しむ文化があり、価格に敏感な一面もあります。その2つに刺さる情報を用意したわけです*2
クーポン利用数は、ラーチーゴー側もKPIの一例として挙げている指標です*2。「安さ」だけでなく「自分たちの生活リズムに合う店」だと伝わったことが効いたのかもしれません。

パターン4:リターゲティング広告でリピートを生んだ京都の和食店

観光地の京都は競合が多く、一度きりの来店で終わりやすいのが悩みでした。この和食店は、記事広告に加えてリターゲティング広告を活用しました。
ラーチーゴーの閲覧データをもとに、訪日予定のある台湾客に絞って広告を再配信し、次に来るならおすすめの季節メニューを繰り返し届けました*2。訪日予定者にだけ届く仕組みだからこそ、無駄打ちの少ない広告になります。
その積み重ねで、再訪や知人紹介が増えたと見られます。ロイヤルティは、繰り返し情報を届けられているという実感から生まれるものかもしれません。

パターン5:SNS拡散で認知が広がったラーメン店

新興エリアの新店舗で、知名度ゼロからのスタートでした。この店が力を入れたのは、ラーチーゴーのFacebook・Instagramでの投稿と拡散です。
記事広告と合わせてSNSで発信を続けるうちに、台湾・香港のユーザー同士で「あの店が良かった」という情報が自然に広がっていきました*2
派手な単発広告ではなく、記事とSNSを組み合わせた継続的な発信。それが「台湾・香港客に人気の店」という認知を育てました。

5つのパターンから見えた「ラーチーゴー活用の傾向」

5つのパターンに共通していたのは、「掲載した」ことではなく「複数の施策を組み合わせて使い続けた」ことです。ここでは押さえておきたいポイントを整理します。

ポイント1:「日本情報」ではなく「台湾・香港客目線」で発信している

うまくいかないケースは、日本語や英語の情報をそのまま翻訳して満足しています。うまくいくケースは、ネイティブの編集部が繁体字中文で、文化的な文脈に合わせて取材・執筆しています*2
差が出るのは説明の解像度です。「新鮮な魚」ではなく「早朝の市場から仕入れた旬の魚」と書く。この一手間が、台湾・香港客の「行ってみたい」を引き出します。

ポイント2:「写真・動画の質」で期待値を合わせている

台湾・香港客は、料理の見た目やSNS映えを重視する傾向があります。取材時に用意する写真や動画素材の質が、記事の説得力を左右します。
プロ撮影が理想ですが、明るい自然光で撮った写真を用意するだけでも印象は大きく変わります。事前に「見せたい写真」を店側でも準備しておくと、取材がスムーズです。

ポイント3:クーポンや広告を「単発」で終わらせない

記事広告の掲載期間は12カ月が基本とされています*2。この期間中にクーポン内容を見直したり、季節に合わせて情報を更新したりすることで、掲載効果を持続させやすくなります。

ポイント4:複数施策を組み合わせている

記事広告だけで終わらせず、クーポン・動画・SNS・リターゲティング広告を組み合わせている店ほど、認知から来店までの導線がつながりやすい傾向にあります*2

ポイント5:スタッフがいなくても「文化理解」で対応できる

台湾・香港人スタッフがいれば理想ですが、いなくても対応は可能です。大切なのは言語スキル以上に文化への理解です。
翻訳ツールや接客ツールを整えれば、属人化を防ぎながら「気持ちよく過ごせた」という満足を提供できます。こうした仕組みづくりや掲載施策の設計を自社で進めるのが難しい場合は、IMJのようなインバウンド専門の代行サービスを活用する方法もあります。

今からラーチーゴーを始める飲食店が最初に取り組むべき3ステップ

掲載して終わる店にならないために、順番が大切です。ここでは0から始める3ステップを紹介します。

ステップ1:問い合わせと目的・KPIの整理(1〜2週間)

まずは資料請求や問い合わせを行い、掲載までの流れや費用感を確認します。あわせて「認知拡大が目的か」「クーポン利用数などの来店促進が目的か」といったKPIを整理しておきましょう*2。営業時間、予約可否、価格帯、対応言語など、取材時に聞かれそうな基本情報も事前にまとめておくとスムーズです。

ステップ2:取材に向けた準備(2〜3週間)

次に、取材時に見せたい料理や店内の様子を整理します。看板メニューから人気の一品まで、明るく美味しそうに見える状態を整えておくのが理想です。繁体字中文での説明を依頼する際、店舗のこだわりや歴史などの背景情報をまとめておくと、記事の解像度が上がります。

ステップ3:掲載後のクーポン運用と効果測定(月間継続)

記事公開後は、クーポンの利用状況やアクセス数など、ラーチーゴー側から共有されるレポートをもとに改善を回していきます*2。掲載して終わりにせず、季節に応じてクーポン内容や訴求ポイントを見直すことで、掲載期間中の効果を持続させやすくなります。

ラーチーゴー活用で失敗する店舗の共通点と回避策

成功の裏には、失敗のパターンがあります。ここを避けるだけでも成果は変わってきます。

失敗パターン1:記事掲載を「出しっぱなし」にしてしまう

掲載後にクーポンやSNS投稿を更新しないままだと、情報が古くなり、閲覧者の興味を引きにくくなります。改善策は、掲載期間中も季節メニューやキャンペーン情報を追加更新することです。動いている店だという印象を持ち続けてもらうことが大切です。

失敗パターン2:多言語対応の実装が不十分である

店頭表示やメニューを自動翻訳だけに頼ると、台湾・香港客に不自然な表現になることがあります。専門用語や敬語の誤訳は、思わぬ印象低下を招きます。改善策は、最小限でも文化理解を示すことです。完璧な翻訳より、相手を尊重する姿勢が伝わる表現を優先しましょう。

失敗パターン3:台湾・香港客のニーズを理解していない

台湾客と香港客は、予算感や好み、訪問時間帯が異なります。ひとまとめに「華人客」と捉えると、発信がぼやけてしまいます。改善策は、ターゲットを明確にすることです。「日本らしさ」を求める客か「食の質」を求める客か。狙いを定めれば、記事で伝える言葉も自然と変わってきます。

よくある質問:ラーチーゴー活用について

ラーチーゴーは口コミサイトですか?

いいえ。ラーチーゴーは、台湾人・香港人の編集部が取材・執筆する記事を中心とした訪日観光メディアです。利用者が自由に口コミを投稿する仕組みではなく、店舗側は記事広告として掲載を依頼する形になります*2

大衆点評とラーチーゴー、両方運用する必要はありますか?

その判断は来店客の実態次第です。中国大陸客が多い店は大衆点評、台湾・香港客を狙う店はラーチーゴーが優先候補になります。両市場を取りたいなら併用が理想ですが、リソースが限られるなら現状の客層データを見て一方に絞るのも合理的な選択です。

掲載には費用がかかりますか?

はい。ラーチーゴーは無料の口コミ管理ツールではなく、記事広告や動画・SNS・広告配信には費用が発生します。掲載期間は12カ月が基本とされ、2年目以降の継続には別途費用がかかります*2。まずは資料請求や問い合わせで具体的な費用感を確認するのが確実です。

小規模な飲食店でも掲載できますか?

公開されている実績クライアントには大手チェーンの名前が目立ちますが、飲食店向けのサービスメニュー自体は個別相談から始められる設計になっています。まずは自店の規模感で何ができるか、問い合わせで確認するのがおすすめです。

台湾・香港客のクレーム対応にコツはありますか?

大切なのは、文化的な背景を踏まえて誠実に向き合うことです。言語の壁があっても、翻訳ツールを使いながら丁寧に対応する姿勢は伝わります。まず謝意を示し、改善の意志を具体的に伝えることで、かえって信頼を取り戻せることもあります。

まとめ:ラーチーゴーは「口コミ集客」ではなく「見込み客への情報発信」

台湾・香港を合わせた930万人近い市場は*1、大衆点評やGoogleマップとは異なる情報源を使っています。ラーチーゴーは、その情報源に自分の店を置くための選択肢のひとつです。ただし、口コミアプリのように登録すればすぐ効果が出る仕組みではなく、記事広告を軸にした中長期の情報発信という前提を理解したうえで検討することが大切です。
まずは今週、ラーチーゴーへの問い合わせで掲載までの流れと費用感を確認してみてください。来週には取材に向けた写真やメニュー情報を整理し、今月中に「自店はどの施策(記事・動画・クーポン・広告)から始めるか」を一つに絞りましょう。その一歩が、次に来る台湾・香港客の「ここにしよう」という判断を後押しするはずです。

インバウンドマーケティングジャパンでは、MEO対策や多言語対応、SNSマーケティングから、ラーチーゴーを含む台湾・香港向けメディアの活用相談まで、インバウンド集客を戦略立案から実行まで一気通貫で支援しています。「台湾・香港客の集客ルートがわからない」「どのチャネルから手をつければいいか整理したい」とお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

参考・出典

  1. 訪日外客数(2025年12月推計値・2025年年間確定値)|JNTO(日本政府観光局)
  2. 台湾・香港向けインバウンド集客/訪日観光プロモーション|樂吃購(ラーチーゴー)!日本|株式会社ジーリーメディアグループ
  3. 香港の人口(2025年末時点・暫定値)|時事ドットコム

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