SNSでインバウンド集客を成功させるには?Instagram・TikTok徹底活用術
【目次】
今、飲食店にSNS集客が必要な理由
SNSが私たちの生活に深く浸透した今、飲食店選びも大きく変化しています。多くの人々が、InstagramやTikTokといったSNSで美味しそうな料理の写真や動画を探し、お店の雰囲気や評判をチェックしてから来店を決めるようになりました。特に、視覚的な情報が重視される現代において、「写真映え」や「動画映え」する料理、そしておしゃれな店内は、お客様を惹きつけるための大きな要素となります。
また、訪日外国人観光客(インバウンド)にとっても、SNSは欠かせない情報源です。彼らが母国語で検索しても情報が見つかりにくい中、視覚的な情報が中心となるSNSは、言葉の壁を越えてお店の魅力を伝える強力なツールとなります。InstagramやTikTokで日本の「食」に関する情報を収集し、気になったお店をリストアップする訪日客は非常に多いのです。
外国人観光客がよく利用するSNS
日本への旅行を計画する外国人の間では、情報収集に使うSNSも国や地域によって異なります。効果的なインバウンド集客のためには、ターゲット層がどのSNSを使っているのかを把握しておくことがとても重要です。
Instagram
世界中で広く使われているInstagramは、写真と動画で直感的に情報を伝えるのに最も適したプラットフォームです。特に、欧米やアジア圏の多くの国で人気が高く、「#japantrip」のようなハッシュタグを使って日本の観光情報を探す訪日客が多くいます。視覚的に魅力的な料理や内装を投稿することで、世界中のユーザーにアプローチできます。
TikTok
短尺動画に特化したTikTokは、若年層を中心に世界中で急速にユーザーを増やしています。音楽やエフェクトを活用したテンポの良い動画が特徴で、お店の臨場感や楽しさを伝えるのに非常に有効なメディアです。面白い動画が「バズる」ことで、短期間で爆発的な認知度向上につながる可能性があります。
YouTube
YouTubeは、飲食店紹介や食べ歩きVlogといった動画コンテンツが非常に豊富です。訪日客は「食」に関する詳細な情報を得るために、YouTubeを利用することがよくあります。自店舗の料理の魅力や雰囲気を丁寧に伝える長尺動画を投稿したり、YouTuberとのコラボレーションをしたりすることで、より深いファンを獲得できるかもしれません。
小紅書(RED)
中国の若い女性を中心に圧倒的な人気を誇るのが、小紅書(RED)です。「口コミ」や「レビュー」に特化しており、旅行情報やグルメ情報を写真や動画付きで探す際に欠かせないツールとなっています。中国からの訪日客をターゲットにするなら、このプラットフォームでの情報発信や、KOL(インフルエンサー)との連携が鍵を握ります。
Facebook
Facebookは、特に欧米や東南アジアの中高年層に根強く利用されているSNSです。実名登録が基本のため、信頼性の高い情報源として認識されやすい特徴があります。お店の公式ページを充実させ、イベント情報や最新ニュースを定期的に発信することで、見込み客の獲得につながります。
X(旧Twitter)
Xはリアルタイム性の高い情報拡散に優れており、「今、日本で話題になっていること」を知るための重要なツールです。特に、日本のサブカルチャーやアニメに関心を持つ層に人気があります。キャンペーンや割引情報などをタイムリーに投稿することで、即効性のある集客効果が期待できるでしょう。
WeChat(微信)とDouyin(抖音)
WeChatとDouyinは、中国で広く利用されているSNSです。
WeChatは決済機能やチャット機能を持つ「スーパーアプリ」として知られ、友人との情報共有に欠かせないツールです。一方、DouyinはTikTokの中国版であり、短尺動画で流行を生み出すプラットフォームです。中国からの訪日客にアプローチするには、これらのSNSへの対応が不可欠となります。
NAVER
韓国からの訪日客にとって、NAVERはGoogleのような存在です。検索エンジンとしての機能に加え、ブログやカフェ(コミュニティ)などの多様なサービスが統合されています。NAVERブログに日本のグルメ情報を掲載したり、韓国人観光客のNAVERブログにPRを依頼したりすることで、韓国からの集客に直接つながるでしょう。
インバウンド集客で利用すべきSNSは?
結論から言うと、お店のターゲットとなる国や地域によって最適なSNSは異なります。例えば、欧米からの観光客をターゲットにするならInstagramやFacebook、韓国からの観光客ならNAVER、中国本土からの観光客なら小紅書(RED)やDouyinといったプラットフォームが特に有効です。
とはいえ、最初からすべてのSNSを運用するのは現実的ではありません。リソースが限られている場合、まずは世界中で利用者が多く、視覚的に訴えかけやすいInstagramとTikTokから始めるのがおすすめです。この2つのプラットフォームは、料理や店の雰囲気をダイレクトに伝えられるため、多くの訪日客に魅力をアピールできます。まずはこの2つで運用をスタートし、手応えを感じたら他のSNSにも広げていくのが賢明な戦略と言えるでしょう。
Instagram集客の基本と応用:写真と動画で魅力を伝える
Instagramは、お店の魅力を視覚的に伝える上で最も重要なプラットフォームの一つです。効果的に集客するための運用方法を、段階的に解説します。
【基本】アカウント設計とプロフィール最適化
集客の第一歩は、プロフィールをきちんと整備することです。訪日客の視点に立ち、何のお店か、どんな料理が楽しめるのかが一目でわかるように工夫しましょう。
まず、ターゲットとなる訪日客に合わせたコンセプトを設定することが大切です。例えば、日本の伝統的な雰囲気を味わってもらいたいなら、和のテイストを前面に出します。次に、プロフィール文は多言語で対応しましょう。英語はもちろん、特に集客したい国の言語(例:中国語、韓国語)も併記することで、ユーザーに親切な印象を与えられます。
さらに、ハイライト機能を活用して、メニューや営業時間、アクセス方法、予約方法といった重要情報をわかりやすく整理しておくのもおすすめです。これにより、ユーザーは知りたい情報にすぐにたどり着くことができ、来店意欲を高めることにつながります。
【実践】フォロワーを増やす投稿コンテンツの作り方
フォロワーを増やすためには、魅力的なコンテンツを継続的に投稿する必要があります。特に料理の「シズル感」を伝える高クオリティな写真や動画は欠かせません。湯気、滴るソース、焼き目の美しさなど、五感に訴えかける表現を意識しましょう。
また、リール動画も積極的に活用してください。調理の様子、盛り付けの瞬間、スタッフの紹介、お客様が楽しんでいる様子(※許可必須)など、店舗の臨場感や雰囲気を伝えることで、ユーザーは「このお店に行ってみたい」と感じるようになります。
その他、ユーザー参加型のコンテンツも効果的です。「#(お店の名前)」といったハッシュタグを使った投稿キャンペーンを実施したり、「一番好きなメニューは?」といった質問を投げかけたりすることで、ユーザーとのエンゲージメントが向上し、フォロワー増加につながります。
【集客】来店につながるInstagram運用のコツ
フォロワーが増えたら、それを実際の来店につなげるための工夫を凝らします。
投稿の際には、訪日客が検索で使うハッシュタグをリサーチして適切に選定することが重要です。「#japantrip」「#tokyofood」「#shinjukugourmet」のように、観光地やグルメに関連するタグを複数組み合わせることで、より多くの人の目に留まります。
また、投稿文に「予約はプロフィールリンクから」「営業時間は○時~○時まで」といった、来店に必要な情報を明確に記載することを忘れないでください。キャプションは多言語対応させ、親切な情報提供を心がけましょう。
投稿頻度も大切です。毎日決まった時間に投稿したり、週に数回でも定期的に投稿したりすることで、ユーザーの興味を引き続け、来店を促すことができます。
TikTok集客の活用術:短尺動画で店舗をバズらせる
Instagramと並び、今や集客に欠かせないツールがTikTokです。短尺動画ならではの特性を活かし、お店の魅力を最大限に引き出す方法を詳しく解説します。
【基本】TikTokで「バズる」動画の共通点
TikTokで多くのユーザーに動画を見てもらうには、アルゴリズムに好まれ、視聴者の興味を瞬時に引きつける動画作りが必須となります。TikTokで動画をバズらせるためのポイントは、主に以下の3つが挙げられます。
- テンポの良いBGMと短い尺
ユーザーは動画を次々とスワイプしていくため、最初の数秒で強い印象を与えることが重要です。流行りのBGMを取り入れ、小気味よく編集することで、最後まで見てもらえる可能性が高まります。 - ストーリー性を意識した演出
ただ料理を映すだけでなく、「この店に行ったらこんな楽しい体験ができる」というワクワク感を伝えることが大切です。料理が完成するまでの過程や、店内の活気ある様子を短いストーリーにまとめると、より効果的でしょう。 - 流行りのトレンドを取り入れる
特定のダンスやエフェクト、チャレンジ企画など、TikTokで流行しているトレンドをうまく活用することで、より多くのユーザーの目に留まる機会を増やせます。視聴者が真似したくなるような企画は、特に共感を生みやすい傾向があります。
【実践】訪日客に刺さるTikTokコンテンツのアイデア
訪日客に響くTikTokコンテンツを作るためには、日本の食文化や雰囲気に焦点を当てた動画を意識しましょう。
たとえば、料理の盛り付け過程やユニークなメニューの紹介は、視聴者の食欲を刺激する人気のコンテンツです。特に、日本の伝統的な料理や見た目が美しいスイーツなどは、海外ユーザーから高い関心を集めることができます。
また、店舗の個性的な内装や雰囲気を伝える動画も良いでしょう。日本の古民家風の店舗や、アニメの世界観を取り入れた内装など、「日本らしさ」を感じさせる空間は、訪日客にとって大きな魅力となります。
さらに、訪日客が実際に楽しんでいる様子を映した動画も、非常に効果的です。美味しそうに料理を食べている表情や、楽しんでいる姿は、来店を検討している他のユーザーの背中を押すことにつながります。ただし、必ず事前に許可を得るようにしてください。
【集客】TikTokから来店へ導く方法
動画を多くの人に見てもらうだけでなく、来店につなげることが最終的な目標となります。
まず、プロフィールに店舗情報のリンクを必ず設置しましょう。食べログや公式ウェブサイト、Googleマップなどのリンクをまとめたリンク集を設置し、ユーザーがスムーズに情報にアクセスできるようにすることが大切です。
また、TikTok内のプロモーション広告も有効な手段の一つです。ターゲットとする国や地域、年齢層などを細かく設定できるため、効率的に潜在顧客にリーチできるメリットがあります。
訪日客に特化したSNS集客の秘訣
InstagramやTikTokといったSNSを運用する際、訪日客に特化して集客効果を最大化するためのポイントを解説します。
多言語対応と文化理解が第一歩
インバウンド集客においては、言葉の壁を乗り越えることが不可欠です。
- 多言語対応
投稿文やプロフィールを多言語化することは基本中の基本となります。英語はもちろん、特にターゲットとする国の言語(中国語、韓国語、タイ語など)も併記することで、より多くのユーザーに情報を届けられます。翻訳ツールを効果的に活用し、簡単な挨拶やメニュー名だけでも多言語で記載することを心がけてください。 - 文化理解
各国によって食文化やマナー、SNSの利用動向は異なります。例えば、中国では「熱いお茶を飲む習慣」や「料理の取り分け方」など、日本とは異なる文化があります。こうした点を理解し、彼らが安心できるような情報提供やサービスを心掛けると、親近感を抱いてもらいやすいでしょう。
インフルエンサーマーケティングを活用する
インフルエンサーの影響力は、現代のSNSマーケティングにおいて絶大なものとなっています。
- 訪日客に人気のインフルエンサーとのコラボレーション
ターゲットとする国や地域で影響力を持つインフルエンサーに、お店を紹介してもらうのは非常に効果的な方法です。彼らのフォロワーは、インフルエンサーの投稿を信頼して来店する可能性が高いでしょう。 - PR投稿の依頼方法と注意点
インフルエンサーにPRを依頼する際は、お店のコンセプトやターゲット層に合った人物を選定するのが重要です。また、依頼内容や条件を明確に伝え、互いにメリットのある関係を築くように努めてください。
口コミ・UGC(ユーザー生成コンテンツ)を最大限に活用
SNS集客において、ユーザー自身が発信する情報は、お店への信頼を高める上で非常に重要な役割を果たします。
- 顧客にハッシュタグ投稿を促す施策
例えば、「#(お店の名前)」や「#(お店の名前)で最高の体験」といったオリジナルのハッシュタグを店内に掲示し、投稿を促すことで、ユーザーがお店の魅力を自ら広めてくれるでしょう。 - 投稿へのリアクション
ユーザーからの投稿(UGC)に対して、積極的に「いいね」やコメントをするようにしてください。これにより、お店とユーザーとの間にエンゲージメントが生まれ、ファンコミュニティが形成されることにつながります。
まとめ:SNS集客で飲食店のファンを増やそう
SNS集客は、もはや飲食店経営に欠かせない重要な要素となりました。国内外を問わず、多くの人々がSNSを通じてお店の情報を収集し、来店を決めています。
本記事で解説したように、まずはターゲットとする層に合わせたSNSを選定することが成功への第一歩です。
特に、視覚的な訴求力に優れるInstagramとTikTokは、初心者にもおすすめできるツールです。Instagramは写真やリールで直感的な魅力を、TikTokは短い動画で店舗の雰囲気や楽しさを効果的に伝えられます。
さらに、訪日客に特化した集客を目指すなら、多言語対応や文化理解、インフルエンサーとの連携、そしてUGCの活用が欠かせません。
こうした戦略を地道に実行し、お店の魅力を発信し続けることで、単なる来店客にとどまらず、熱心なファンを獲得することにつながります。それが、持続可能な集客力へと成長していくのです。
SNSを活用して、訪日客の集客を成功させましょう!