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インバウンド集客で売上を伸ばすには?2026年に成果が出る店の共通点と進め方

外国人のお客様は増えているのに、月末に数字を見ると利益が思ったほど残らない。そんな感覚を持つ飲食店オーナーは少なくないようです。
インバウンド集客で売上を伸ばすポイントは、集客の「数」を増やすことよりも、①自店に合う客層を決める、②その客層が使う媒体で情報を整える、③価格と体験を設計する、の3つを順番に進めることです。
本記事では、最新の公的データで訪日客の動向を整理したうえで、成果を出している店の共通点を匿名事例とともに紹介します。今週から始められる5ステップもまとめました。

【目次】

インバウンド集客は「数」から「質」を問われる段階へ

訪日客は高い水準にありますが、2026年は全体の数字と、国・地域ごとの動きに差が出ています。まずは最新のデータを確認します。

訪日客は2025年に過去最高、2026年は国・地域で明暗が分かれる

2025年の訪日外客数は4,268万人で、前年比15.8%増となり、初めて4,000万人を超えました*1。訪日外国人の旅行消費額も9兆4,549億円と過去最高です*2。

一方、2026年は様子が変わっています。1〜8月の累計は2,762万6,300人で、前年同期比2.7%減です。8月単月は309万8,900人で、前年同月比9.6%減でした*3。

国・地域別に見ると、8月は韓国が85万500人(28.7%増)、台湾が66万6,000人(7.3%増)、香港が24万7,300人(9.4%増)と伸びた一方、中国は41万8,000人(59.0%減)と大きく減少しています*3。

訪日客の総数が横ばいから減少でも、市場ごとの増減は大きく異なります。「訪日客が増えている」という全体の印象だけでなく、自店に来る層がどう動いているかを見ることが欠かせません。

政府の方針も「量」から「質」「地方」へ

2026年3月に閣議決定された新しい観光立国推進基本計画では、2030年に向けて、訪日客6,000万人、消費額15兆円に加え、1人あたりの旅行消費額25万円などの目標が示されています*4。2025年の1人あたり旅行支出は約22.9万円でした*2。客数だけでなく、1人あたりの満足度と消費額を高める方向が示されています。

地方への分散も進んでいます。2025年の外国人延べ宿泊者数は、地方部が6,056万人泊(前年比19.1%増)、三大都市圏が1億1,936万人泊(同5.1%増)でした*5。地方部の伸びが都市部を上回っており、都市圏以外の店にも機会が広がっています。

客数が増えても利益が残りにくい3つの課題

客数が増えても利益が残りにくい店には、次のような共通点があります。

課題1:客層が絞れず、価格に引っ張られる

「どなたにも来てほしい」という状態だと、発信や価格の方向性がぼやけます。比較されやすい媒体では、安さを打ち出すほど単価が下がり、回転は上がっても利益が薄くなりがちです。

課題2:多言語対応が特定のスタッフ頼みになっている

多言語メニューの作成や外国語での接客は、人件費と現場の負担につながります。特定のスタッフに頼る状態だと、その人が不在のときに対応が止まってしまいます。

課題3:店のルールが事前に伝わっていない

持ち込みや予約のキャンセル、撮影などについての考え方は、国や地域によって異なります。多くの場合、悪意ではなく、日本のルールが事前に伝わっていないことが原因です。来店後に注意すると、お客様にもスタッフにも負担が残ります。

これらの課題は、集客の前に「誰に、どう来てもらうか」を決めることで、軽くなる場合があります。

成果を出す店の共通点:客層の優先順位をつける

IMJでは、自店の強みと相性のよい客層を決め、その層に向けて発信・価格・体験を整える考え方を「インバウンド客層ポジショニング」と呼んでいます。

なお、これは国籍を理由に入店をお断りするという意味ではありません。限られた時間と予算のなかで、「どの層への発信を優先するか」「どの層の受け入れ体制から整えるか」を決めるための考え方です。

共通点1:来てほしい客層を、データとあわせて決める

国・地域ごとに、訪日客数や旅行中の消費額には違いがあります。2025年の1人あたり旅行支出は全体で約22.9万円ですが、ドイツ約39.2万円、英国約39.1万円、オーストラリア約38.7万円と、欧州・豪州の旅行者は高い傾向にあります*2。

あくまで一般的な傾向ですが、次のように整理して考えると、優先順位をつけやすくなります。

  • 韓国・台湾・香港:2026年に入って訪日客数が伸びている市場です。SNSで情報を探してから来店する方が多い傾向があります
  • 中国:2026年は訪日客数が大きく減少しています。個人旅行が中心で、口コミを重視して店を選ぶ傾向があります
  • 欧米豪:1人あたりの消費額が高く、個人での旅行が中心です。Googleマップで探して来店するケースが多く見られます

まずは自店の過去3ヶ月の来店客を、国・地域別に整理し、客単価やリピートの状況と照らし合わせてみてください。

共通点2:その客層が使う媒体に絞って、情報を整える

国・地域によって、店を探すときに使う媒体は異なります。同じ内容を発信しても、見られていない媒体では届きません。

  • Googleマップ・GBP(Googleビジネスプロフィール=Google上の店舗情報ページ):欧米豪を含め、幅広い訪日客が使います。まず整えたい土台です
  • ラーチーゴー:台湾・香港向けの日本情報メディアで、観光やグルメの情報が発信されています
  • RED(小紅書)・大衆点評:中国の方が口コミや店舗情報を探す際に使う媒体です
  • Instagram・TikTok:若い世代が、写真や動画で店を探すときに使われます

すべての媒体に手を出すと、運用の負担が分散します。優先度の高い1〜2媒体に絞り、自社での運用が難しい場合は、IMJのようなインバウンド専門のMEO・SNS支援サービスを活用する方法もあります。

共通点3:価格と体験を「戦略」として設計する

価格は、どのような方に選ばれるかを左右する要素です。安さを前面に出すと、価格を重視する層が集まりやすくなります。反対に、体験や希少性で価値を伝えると、その価値を求める層に届きやすくなります。

  • 時間帯やシーズンに応じた価格設計を検討する
  • 原価率を管理しながら、体験価値で単価を高める
  • 多言語メニューは、看板メニューなど絞り込んで品質を保つ

事例:客層と媒体を見直して成果につなげた飲食店

ここでは、考え方を実際の取り組みに落とし込んだ3つの匿名事例を紹介します。数値はIMJの支援事例における目安であり、成果を保証するものではありません。

台湾・香港向けの発信に切り替えて単価が上がった都内の居酒屋

都内のある居酒屋では、外国人のお客様は来店するものの客単価が低く、Googleに厳しめのレビューが並んでいました。そこで、相性のよい台湾・香港のお客様に向けた発信へ切り替え、ラーチーゴーを活用しました。あわせて、メニューを高付加価値な構成に組み直し、SNSでの発信も強化しています。

約3ヶ月後には、客単価が3,500円程度から6,000円台へ、リピート率も25%前後から大きく改善したとされています。「誰に届けるか」を決めたことで、成果の質が変わった事例です。

個人客に向けて予約と情報を整え、対応負担が軽くなった天ぷら店

ある天ぷら店では、外国人対応に時間を取られ、現場の負担が大きくなっていました。そこで、個人で訪れる欧米豪のお客様に向けてGoogleマップの情報を整え、事前予約制にしました。

約3ヶ月後には、外国人対応にかかる時間が半分程度に減り、単価の上昇で利益も改善傾向にあるとされています。事前に情報を伝え、予約で来店の流れを整えたことが、現場の負担軽減につながりました。

ルールを多言語で事前周知し、トラブルが減った関西のラーメン店

関西のあるラーメン店では、撮影や店内でのマナーをめぐる行き違いが続き、スタッフの負担が増えていました。そこで、入店前に店のルールを多言語で案内し、スタッフの対応方針も見直しました。

その結果、行き違いが目立って減り、スタッフの離職も抑えられたとされています。「後から注意する」のではなく、「事前に伝える」仕組みに変えたことが、現場を守る一手になりました。

インバウンド集客を今週から始める5ステップ

ステップ1:現在のお客様を整理する(今週中)

過去3ヶ月の来店客を、国・地域別にざっくり分類します。客単価とリピートの状況を並べるだけでも、傾向が見えてきます。完璧でなくて構いません。

ステップ2:優先する客層を決める(今週〜来週)

利益とスタッフの負担を踏まえて、まず力を入れる客層を1〜2つ決めます。そのほかの客層も、来店は歓迎したうえで、発信や体制整備の優先順位を後ろに置くという考え方です。

ステップ3:その客層が使う媒体に絞って整える(来週〜今月末)

Googleマップ・GBPを土台に、選んだ客層が使う媒体を1〜2つ追加します。情報の更新や口コミへの返信も続けましょう。

ステップ4:メニュー・価格・案内を整える(来月から)

看板メニューの多言語化、価格設計、予約・キャンセルの案内、店のルールの事前周知を整えます。

ステップ5:月1回、振り返る(継続的)

想定した客層が来ているか、客単価・リピート・満足度はどう動いたかを確認します。スタッフの感覚も一緒に拾うと、改善の精度が上がります。

よくある質問:インバウンド集客の進め方

客層を絞ると、集客が減ってしまいませんか?

発信の優先順位を決めるだけで、来店をお断りするわけではありません。届けたい層が明確になるため、限られた予算でも発信の効果が出やすくなる場合があります。まずは1〜2つの客層から始めてみてください。

Googleマップとラーチーゴーなどの媒体、どれに力を入れるべきですか?

まず自店の来店客の国・地域を整理することから始めます。そのうえで、単価やリピートの状況がよい層が使う媒体を優先してください。迷う場合は、幅広い層が使うGoogleマップ・GBPを土台にするのが現実的です。

多言語対応の翻訳コストがかさんでいます。どこまで対応すべきですか?

すべてを翻訳する必要はありません。看板メニュー、予約・キャンセルのルール、事前に伝えたいマナーの3点に絞るだけでも、伝わる内容は大きく変わります。QRコードや翻訳ツールを併用すると、費用を抑えやすくなります。

外国人のお客様への対応が、現場の負担になっています。どう改善すればよいですか?

特定のスタッフに頼らない仕組みづくりが先決です。指差しで使える案内シートやQRコードの多言語案内を整えると、誰でも同じ対応がしやすくなります。ルールを事前に案内しておくことも、負担の軽減につながります。

インバウンド集客で利益が出ていません。受け入れを控えたほうがよいですか?

受け入れを控える前に、客層ごとの利益と負担を分けて確認してみてください。利益の出やすい層を見つけて発信を集中させたり、価格や体験を見直したりすることで、改善できる場合があります。

まとめ:インバウンド集客は「誰に、どう選ばれるか」で差がつく

訪日客は高い水準にありますが、2026年は国・地域ごとの動きに差が出ています。だからこそ、集客の「数」を追うだけでなく、自店に合う客層を決め、その層が使う媒体で情報を整え、価格と体験を設計することが、成果につながります。

まず今週は、過去3ヶ月の来店客を国・地域別に整理してみてください。来週は優先する客層を決め、今月末までに力を入れる媒体を1〜2つに絞りましょう。小さな一歩の積み重ねが、来月の利益の質を変えていきます。

インバウンドマーケティングジャパンでは、MEO対策から多言語対応支援、Instagram・REDを活用したSNSマーケティング、インバウンドコンサルティングまで、戦略立案から実行までを一気通貫で支援しています。「集客は増えたのに利益が残らない」「どの媒体に力を入れるべきか判断できない」とお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

参考・出典

  1. 訪日外客数(2025年12月推計値)[PDF]|JNTO(日本政府観光局)
  2. 訪日外国人の消費動向 インバウンド消費動向調査結果及び分析 2025年 年次報告書[PDF]|観光庁
  3. 【図解】訪日外国人数、2026年8月は9.6%減の310万人(JNTO速報の解説)|トラベルボイス
  4. 2026年度からの新「観光立国推進基本計画」の注目ポイントは?|トラベルボイス
  5. 2025年の外国人宿泊は1.8億人泊で過去最高水準、地方部は前年比19.1%増(観光庁「宿泊旅行統計調査」より)|やまとごころ

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