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【2026年版】外国人観光客が飲食店を選ぶまでの5ステップ|「見つからない店」から「選ばれる店」へ

街を歩けば外国人観光客の姿をよく見かけるのに、自分の店にはなぜか入ってこない。そんなもどかしさを抱えている飲食店オーナーは少なくないはずです。近くの店は行列なのに、うちは素通りされる——その差は、味でも立地でもないかもしれません。
JNTOの推計によると、2025年の訪日外客数は4,268万3,600人となり、前年比15.8%増、初めて4,000万人を突破して過去最高を更新しました*1。ただし2026年に入ってからは様相が変わっており、1〜7月の累計は2,452万7,200人で前年同期比1.7%減となっています*2。これは中国からの訪日客数の落ち込みが主な要因で、一方で韓国・台湾など17市場は7月として過去最高を記録しています*2。つまり総数の伸びが一服していても、「日本の飲食店を探している外国人観光客」自体は依然として多く、その探索の流れに自分の店が乗れているかどうかが、来店数を左右しているということです。
本記事では、外国人観光客が飲食店を見つけて来店するまでの5ステップを整理しながら、「見つからない店」から「選ばれる店」になるための集客の流れを解説します。今日から実装できる対策までまとめました。

【目次】

外国人観光客がいくら増えても飲食店に来ない?「見つかる仕組み」の欠落

外国人観光客の飲食店集客がうまくいかない理由の多くは、観光客の探索プロセスと店舗の露出戦略がかみ合っていないことにあります。

訪日客は「あなたの店」を探していない

まず知っておきたいのは、外国人観光客は「あなたの店」を名指しで探しているわけではないということです。彼らが探しているのは「渋谷 焼き鳥 おすすめ」であり、「今いる場所の近くで評判の良い店」です。

情報源は国や世代によって傾向が異なります。欧米からの旅行者はGoogleマップと英語の旅行ブログを、中国からの旅行者は大衆点評(ダーゾンディエンピン=中国発の口コミアプリ)やRED(小紅書)を、台湾・香港からの旅行者は訪日情報メディア「ラーチーゴー(樂吃購!日本)」やInstagramをよく使う傾向があります。

つまりGoogleマップだけを整えても、見えている市場は全体の一部にすぎません。「口コミを見て来ました」という一言の裏には、検索・比較・予約・確認・来店という段階的な決定プロセスが隠れています。

個人店・中小チェーン店が見落としている「発見の入口」

大型チェーンは複数のプラットフォームに情報を出し、多言語対応も整っています。一方、個人店や中小チェーンは日本語の看板と口コミだけで勝負しがちです。この導線の差が、来店数の差につながりやすくなっています。

外国人客の来店は「たまたま通りかかった」偶然というより、何らかの情報媒体を経由した流入であることが多いとされています。良い立地の店ほど周囲に競合も多く、スマートフォンで比較されたうえで選ばれる時代になりつつあります。

外国人観光客の来店フロー「旅マエ→旅ナカ→旅アト」5ステップモデル

外国人観光客が飲食店を選ぶまでの流れは、旅行の時間軸に沿って整理すると見えやすくなります。ここではIMJが「旅マエ→旅ナカ→旅アト」と呼ぶ5ステップモデルで説明します。

ステップ1:旅マエ期(訪日2〜4週間前)「検索と事前調査」

旅行の計画段階では、行きたいエリアや食べたいものをざっくり調べます。この時点で使われるのが、国別に異なるプラットフォームです。

  • 中国からの旅行者:大衆点評やREDで「東京 グルメ」を検索する傾向があります
  • 台湾・香港からの旅行者:ラーチーゴーやInstagramで探索する傾向があります
  • 欧米からの旅行者:Googleマップと英語の旅行ブログを中心に調査する傾向があります

この段階で店舗情報が見つからなければ、そもそも旅行計画の候補に入りません。存在しないのと同じ扱いになってしまいます。

ステップ2:旅マエ期(訪日直前)「比較と事前予約」

候補が絞られると、次は比較検討に入ります。写真の魅力、口コミの評価、価格帯、予約のしやすさが決め手になりやすい要素です。

外国人が「ここに行きたい」と決める要因は、大きく次の3つに集約されやすいとされています。

  • 料理写真の魅力と「日本らしさ」が伝わるか
  • 口コミの数と評価スコア、そして返信の丁寧さ
  • 予約や問い合わせが自分の言語でできるか

KlookやTabelogなどの予約プラットフォームで事前に席を押さえる旅行者も増えている傾向にあります。

ステップ3:旅ナカ期(訪日当日・滞在中)「急な探索と当日予約」

滞在中は「今すぐ近くで食べたい」という衝動的な探索が起きます。ここで多く使われるのがGoogleマップの「近くのレストラン」検索です。

IMJの独自分析でも、地図アプリの翻訳精度向上を背景に、旅行者がスマホの画面で営業中かどうか・写真・口コミを一瞬で見比べる動きが強まっていると見ています。

ステップ4:予約確定期(訪問24時間前〜当日)「最終的な信頼獲得」

行きたい店が決まっても、最後の確認で離脱する層がいます。「本当に今日やっているのか」「英語は通じるのか」「予算はいくらか」——この不安が残ると足が止まりやすくなります。

営業時間の正確さ、メニューと価格の明示、予約ページの分かりやすさが、最後の一押しになります。

ステップ5:来店〜旅アト(訪問後)「口コミ発信」

食事に満足した外国人客は、写真を撮ってSNSや口コミアプリに投稿することがあります。この投稿が、次の旅行者にとっての「旅マエの情報源」になります。

つまり一人の満足が、新しい訪日客を呼ぶシグナルに変わることがあるわけです。この循環をつくれるかどうかが、長期的な集客力を左右します。

各ステップで実装すべき「5つの集客対策」|今週から始める行動リスト

ここからは、5ステップのフロー上で飲食店がすぐ実装できる対策を紹介します。予算やリソースが限られていても選別できるよう、対応ステップと難易度の目安も添えました。

  • ①多言語GBP完成(旅マエ・旅ナカ/難易度:低/投資額の目安:0円〜)
  • ②SNS多言語発信(旅マエ/難易度:中/投資額の目安:0円〜)
  • ③大衆点評・ラーチーゴー登録(旅マエ/難易度:中/投資額の目安:0〜1万円)
  • ④Googleマップ最適化(旅ナカ/難易度:低/投資額の目安:0円〜)
  • ⑤口コミ誘導の仕組み化(旅アト/難易度:低/投資額の目安:0円〜)

対策1:多言語Googleビジネスプロフィールの完成度を高める

Googleビジネスプロフィール(GBP:Googleマップ上の店舗情報)は、旅マエと旅ナカの両方で見られる重要な入口です。日本語に加え、英語、中国語(簡体字・繁体字)での情報整備をおすすめします。

  • 店名・住所・営業時間・電話番号・メニューを翻訳から漏らさない
  • 料理写真を20枚以上掲載する
  • GBP内に予約リンクを設置し、Googleから直接予約フローへ誘導する

完成させたい項目は、店名・カテゴリ・住所・営業時間・電話番号・ウェブサイト・メニュー・写真・予約リンクの9つです。自社での運用が難しい場合は、IMJのようなインバウンド専門のMEO代行サービスを活用する方法もあります。

対策2:SNSで「旅マエの検索ワード」を意識した発信をする

Instagram、RED、TikTokは、いまや検索エンジンのように使われる場面が増えています。「Tokyo yakitori」「日本 居酒屋」など、外国人が使う検索語を意識した投稿が効果的とされています。

ハッシュタグは国・言語別に使い分けるのがおすすめです。来店客の写真をリポストし、タグ付けを促す仕組みをつくると、UGC(利用者による投稿)が自然に増えていく傾向にあります。

対策3:大衆点評・ラーチーゴー・Klookでの露出を確保する

ターゲット国籍に合わせてプラットフォームを選びます。中国人客が多いなら大衆点評、台湾・香港人客ならラーチーゴーが有力な選択肢です。

各プラットフォームでの口コミスコアの現状を把握し、予約リンクを置くのか問い合わせフローにするのかを判断します。すべてに手を出すのではなく、来てほしい客層から選ぶのが現実的です。

対策4:当日探索に効くGoogleマップ最適化と言語別クイックリンク

旅ナカの当日検索では、営業時間の正確さが重要です。臨時休業や時間変更はすぐ反映しましょう。

店頭にQRコードを設置し、メニュー翻訳ページ・予約ページ・SNSへ振り分けると離脱を減らせます。口コミへの返信速度も、信頼の印として見られやすい要素です。

対策5:来店後の口コミ誘導とSNS拡散の仕組み化

満足した客が自然に写真を撮りたくなる「映えスポット」を店内に用意しておくと、投稿されやすくなります。会計時にGoogleマップへの投稿を、言語の壁なくお願いできるカードを用意するのも有効です。

なお、金銭を対価にした口コミ依頼はGoogleのポリシー違反にあたるため避けてください。あくまで「良ければ投稿を」という自然なお願いにとどめるのが安全です。

事例:立地は同じ、集客導線で変わった個人飲食店

ここでは、都内のある飲食店の取り組みを紹介します。匿名事例であり、数値はおおよその傾向を示すものとしてご覧ください。

課題:口コミ頼みの従来型飲食店の限界

この店は観光地から徒歩数分という好立地にありました。日本人の常連客で経営は安定していたものの、新規開拓は頭打ちで、外国人の来店はほとんどない状態でした。

「外国人は増えているのに、うちには来ない」——オーナーが抱えていたのは、まさにこの感覚だったといいます。

診断:フロー上での欠落ポイント

改善前の状態を「旅マエ→旅ナカ→旅アト」のフローで見ると、複数の欠落が見つかりました。

  • GBPが未整備で、外国人のGoogle検索結果に表示されにくい
  • 大衆点評やラーチーゴーに未掲載で、中国・台湾客の事前調査に引っかからない
  • SNS発信が不定期かつ日本語のみ

実行:多言語整備と口コミ導線の構築

そこで、GBPの多言語化とメニュー写真20枚以上の掲載から着手しました。あわせてターゲット国のプラットフォームへ登録し、来店客への口コミ投稿の呼びかけをQRコードで仕組み化。SNS投稿の頻度も引き上げました。

結果:約6ヶ月後の変化

IMJが支援した同種のケースでは、GBP整備・多言語対応・口コミ獲得施策・定期投稿を組み合わせることで、約6ヶ月で外国人来店比率が15〜20%程度に達した例があります*3

大きな設備投資をしたわけではありません。変えたのは「見つかる仕組み」だけです。立地も味も同じまま、フロー設計を整えるだけで流れが変わった一例といえます。

よくある質問:外国人観光客の集客に関する疑問

多言語対応は絶対必要?予算がない場合の優先順位は?

最低限の対応としては、まずGBPの英語化から始めれば問題ありません。英語のみでも欧米客には届きますが、中国語も加えると中華圏の来店機会が広がります。予算が月5万円程度なら、GBPの多言語化と大衆点評またはラーチーゴー登録に集中するのがおすすめです。

なお、翻訳ツールをそのまま貼っただけの不自然な文章は、かえって信頼を下げることがあります。主要な情報だけでも自然な訳を用意しておくと安心です。

Googleマップとラーチーゴー、どちらに注力すべき?

来てほしい客層で判断します。欧米客中心ならGoogleマップ、台湾・香港客中心ならラーチーゴー、中国客中心なら大衆点評が優先です。

同じ写真とメニュー情報を使い回せば、複数プラットフォームの併用もそれほど手間はかかりません。素材を一度そろえておくのが省力化のコツです。

当日予約が増えるのはGoogleマップの高評価とSNS、どちらが効く?

旅ナカの当日検索では、Googleマップの評価と口コミが見られる場面が多い傾向があります。一方、友人からの紹介で来る客はInstagramやREDの投稿を入口にすることが目立ちます。両方を整えておくのが理想です。

外国人客の無断キャンセルや迷惑行為を防ぐには?

予約確定時に、キャンセルポリシーと注意事項を客の言語で明示するのが効果的です。「予約時間を過ぎると席を解放します」といった一文を英語・中国語で添えるだけでも、認識のズレを減らせます。

一方で、文言がきつすぎると来店をためらわせる面もあるため、丁寧なトーンを心がけてください。

小さな飲食店でも「旅マエ検索」に引っかかることは可能?

むしろ小規模店のほうが機動力を活かせる面があります。情報更新の速さ、口コミへの丁寧な返信、店主の顔が見える投稿は、大型チェーンには出しにくい魅力です。

  • 臨時の情報をすぐ反映できる小回り
  • 一人ひとりへの返信で伝わる温かさ
  • 「日本の個人店らしさ」を前面に出した発信

実装チェックリスト:今月末までに完了すべき「5つの集客対策」

前章で紹介した対策1〜5を、「旅マエ→旅ナカ→旅アト」の順に4週間で実行するチェックリストにまとめました。

Week1〜2:「旅マエ検索」に見つかる基盤づくり

  • ☐ GBPを日本語+英語+中国語で100%完成させる(必須)
  • ☐ 大衆点評またはラーチーゴーに登録する(必須)
  • ☐ Klookに登録し、可能なら体験プラン化(推奨)
  • ☐ メニュー翻訳ページをQRコード化(推奨)

Week2〜3:「旅ナカ検索」で選ばれる情報整備

  • ☐ Googleマップ口コミへの返信を24時間以内の体制に(必須)
  • ☐ 「食べたくなる3枚」を最優先に店内写真を整理(必須)
  • ☐ Instagram・RED・TikTokのプロフィールを多言語化(推奨)
  • ☐ 多言語対応の予約用LINEを検討(応用編)

Week3〜4:「旅アト口コミ」拡散の仕組み化

  • ☐ 口コミ投稿リクエストの文言を多言語で作成(必須)
  • ☐ 映え写真スポットとハッシュタグ案内を店内に掲示(推奨)
  • ☐ フォロー&紹介の企画を検討(応用編)

まとめ:外国人観光客を呼ぶ飲食店は「偶然」ではなく「フロー設計」でつくられる

外国人観光客の来店は、立地や味の良さだけで決まるものではありません。彼らが店を見つけ、比較し、確信し、来店し、投稿するまでの5ステップのどこかが欠けていれば、探している訪日客はそのまま通り過ぎていきます。逆にこの流れを設計できれば、来店は仕組みとして生まれやすくなります。

まずは今週、Googleマップの英語化と中国語化に取り組んでみてください(作業4時間ほど、費用0円から始められます)。来週には大衆点評かラーチーゴーへの登録を済ませ、今月中にInstagramの週1投稿とハッシュタグ追加を習慣にしましょう。その一枚の写真と一つの返信が、まだ見ぬ次の来店客の背中を押すことになるかもしれません。

インバウンドマーケティングジャパンでは、MEO対策代行から多言語対応支援、SNSマーケティングまで、インバウンド集客を一気通貫で支援しています。「外国人客が増えているのにうちには来ない」「何から手をつければいいかわからない」とお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

参考・出典

  1. 訪日外客数(2025年12月・年間推計値)|JNTO(日本政府観光局)
  2. 訪日外客数(2026年7月推計値)|JNTO(日本政府観光局)
  3. 参照:MEO対策による外国人集客改善(匿名事例)|インバウンドマーケティングジャパン

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