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2026年最新需要をチェック!外国人観光客に「選ばれる飲食店」と「素通りされる飲食店」の違いとは?

同じ商店街、同じ価格帯、同じ味。それなのに、隣の店の前には外国人観光客の行列ができているのに、自分の店にはほとんど外国人の姿を見かけない。そんな違和感を覚えている飲食店経営者は少なくないはずです。
2025年の訪日外国人旅行者数は4,268万3,600人となり、前年比15.8%増、初めて4,000万人を突破して過去最高を更新しました*1。訪日外国人旅行消費額も9兆4,559億円(前年比16.4%増)と、こちらも過去最高です*3。数字だけを見れば、まぎれもない追い風です。それでも「うちには外国人が来ない」と感じる飲食店は少なくありません。裏を返せば、増え続ける訪日客の波を取りこぼしている店が一定数存在するということです。
本記事では、2026年のインバウンド需要が今どう動いているのかをデータから読み解きつつ、需要を取り込める店と素通りされる店の違いを整理します。今週から着手できる準備リストも用意したので、自店の状況と照らし合わせてみてください。

【目次】

2026年のインバウンド需要、「増えている」のに体感しにくい理由

結論から言うと、2026年のインバウンド需要は「一様に伸びている」わけではありません。全体の数字と、実際に自店の商圏で起きていることの間には、ズレが生まれやすくなっています。この構造を理解しておくことが、準備の方向を見誤らないための第一歩です。

2025年の実績と、2026年に入ってからの変化

2024年の3,687万人から2025年は4,268万人へ、訪日客数は大きく伸びました*1。ところが2026年に入ってからは、様相が変わっています。2026年1〜7月の累計は2,452万7,200人で、前年同期比1.7%減となりました*2。これは中国からの訪日客数が大きく落ち込んでいることが主な要因です。

一方で、7月単月の実績を見ると344万2,100人となり、前年同月比0.1%増ながら7月として過去最高を記録しています*2。しかも韓国・台湾・米国など17市場が7月として過去最高を更新しました*2。つまり「全体の総数」は足踏みしていても、「多くの個別市場」では記録更新が続いているというねじれが起きているのです。

この状況は、「訪日客は増え続ける」という単純な理解では説明がつきません。むしろ「国によって波が大きく異なる時期に入っている」と捉えるほうが実態に近いでしょう。

国別・地域別の需要格差

2025年の国別実績を見ると、韓国が約946万人で首位、次いで中国が約910万人、台湾が約676万人、米国が約331万人、香港が約252万人と続きました*1。この構造からは、いくつかの傾向が読み取れます。

  • 東アジア中心の厚み:韓国・中国・台湾・香港で全体の大部分を占め、これらの国の動向が売上を大きく左右しやすい構造です
  • 市場ごとの明暗:2026年は中国が前年を大きく下回る一方、韓国・台湾・欧米などは記録的な伸びを見せており、「どの国に強いか」で店ごとの体感が変わります
  • 業種による差:宿泊や観光施設と、飲食店・小売店とでは、需要増加の届き方に時差があります

言い換えれば、2026年のインバウンドは「不均等成長」がより鮮明になった局面に入っています。総数の増減を眺めるより、「自分の商圏・業種に、どの国の客が、いつ来るのか」を具体的に想像することのほうがはるかに重要です。

「素通りされる飲食店」が陥りやすい3つの落とし穴

需要の波に乗れるかどうかは、店の規模や立地だけでは決まりません。IMJでは、訪日客を取り込む条件を「需要キャッチ三要件」と呼んで整理しています。「見つかる」「選ばれる」「体験で満足してもらう」の3つで、どれか一つでも欠けると波に乗り遅れてしまいます。

見つかっていない:オンライン露出不足

最初の落とし穴は、そもそも検索結果に出てこないことです。訪日客の多くは来店前にGoogleマップで店を探しますが、Googleビジネスプロフィール(GBP=Google上の店舗情報ページ)が未整備だと、候補にすら入りません。

マップ検索で上位に表示される数店舗に来店が集中しやすく、下位の店は見落とされがちです。加えて、若い世代の訪日客はInstagramやRED(小紅書=中国発の口コミSNS)で店を探す傾向があるため、これらに情報がないと「存在しない店」と同じ扱いになってしまいます。

選ばれていない:口コミ・多言語対応の差

見つかっても、次に「選ばれる」段階でふるいにかけられます。訪日客は言葉の通じない土地での失敗を避けたいため、口コミ評価を判断材料の中心に置く傾向が強まっています。

ここで差がつくのが多言語対応です。外国語で書かれた口コミに返信がない、あるいは日本語しか対応していない店は、レビューを読む段階で候補から外れやすくなります。ネガティブな口コミを放置している店も、慎重な訪日客ほど敬遠する傾向にあります。

自社での運用が難しい場合は、IMJのようなインバウンド専門のMEO・多言語対応支援サービスを活用する方法もあります。まずは自店で何が欠けているかを把握してから、外注の要否を判断するのがおすすめです。

来店後の体験ギャップ:期待値を下回る現地体験

3つ目は、来店してもらえた後の話です。せっかく足を運んでもらっても、体験が期待を下回れば再訪もおすすめもされません。

  • 決済の壁:キャッシュレス決済に慣れた訪日客にとって、現金のみの店は会計時点で不満につながりやすい傾向にあります
  • 写真とのギャップ:SNSで見た印象と実物が異なると、レビューで評価を下げられやすくなります
  • 言語対応の不足:注文や説明がうまく伝わらないと、料金への不安から途中で退店されることもあります

この3つの落とし穴は、順番につながっています。見つからなければ選ばれず、選ばれても体験が悪ければ次につながりません。だからこそ、三要件をまとめて点検する必要があります。

「需要キャッチ三要件」をチェック:今週から実行する準備リスト

ここからは、自店の状態を診断できるチェックリストです。各項目に「できている/一部できている/できていない」で答えてみてください。できていない項目が多いほど、需要増加の恩恵を取りこぼしている可能性があります。

要件1:見つかる対策(MEO・SNS)の実装状況

  • ☐ Googleビジネスプロフィールの情報(住所・電話・カテゴリ等)は空欄なく埋まっているか
  • ☐ 営業時間・メニュー・写真を月1回以上更新しているか
  • ☐ 業種に合ったSNS(Instagram・TikTok・RED等)のアカウントを開設しているか
  • ☐ 訪日客が検索しそうなキーワードで、マップ上位に表示されているか

要件2:選ばれる対策(口コミ・多言語)の充実度

  • ☐ Googleマップの口コミが月に数件以上、継続的に集まっているか
  • ☐ 口コミへの返信率は8割以上を保てているか
  • ☐ 外国語の口コミにも返信できる体制(翻訳含む)があるか
  • ☐ メニューや看板で、英語以外の言語(中国語・韓国語等)にも配慮しているか

なお、口コミを増やす際に金銭や割引と引き換えに投稿を依頼するのはGoogleのポリシー違反にあたります。QRコードの設置など、自然に書いてもらう導線づくりから始めてみてください。

要件3:来店後の体験格差を減らす準備

  • ☐ 主要なキャッシュレス決済(Alipay、WeChat Pay、クレジットカード等)に対応しているか
  • ☐ スタッフが翻訳機や指差しメニューで簡単な多言語対応ができるか
  • ☐ 注意事項を「禁止」ではなく「〇〇が人気です」のような前向きな表現で伝えているか
  • ☐ アレルギー対応や辛さ調整など、訪日客に喜ばれるオプションがあるか

国別・季節別に見る需要の波——先読みして準備するために

三要件を整えたら、次は「いつ、どの国の客が来やすいか」を予測して準備のタイミングを合わせましょう。この読みができると、繁忙期前の仕込みが的確になります。

市場ごとに変わる動きの質

国別に見ると、動きの質が変わってきています。あくまで一般的な傾向としての目安ですが、次のような変化が読み取れます。

  • 中国:2026年は前年を大きく下回る月が続いていますが、団体旅行から個人旅行へのシフトは進んでおり、事前にSNS・口コミで調べてから来店する層が増えています
  • 韓国・台湾:2026年も記録的な伸びが続いており、リピーターが多く、目的が明確なぶん季節や話題によって来店の波が大きくなりやすい傾向にあります
  • 東南アジア(タイ・ベトナム等):初めての訪日客が増加傾向にあり、分かりやすさと親切さが評価につながりやすい層です
  • 欧米:人数は東アジアより少ないものの、滞在日数や消費額が比較的大きい傾向にあります

2025年の1人当たり旅行支出が22.9万円まで伸びていること*3を踏まえると、「人数の多さ」だけでなく「一人ひとりに合った体験をどう設計するか」という視点が、小規模店にとっては現実的な戦略になりつつあります。

季節ごとの波を想定しておく

季節ごとの波も、年々はっきりしてきています。あくまで一般的な傾向としての目安ですが、次のようなリズムを想定しておくと準備がしやすくなります。

  • 春(3〜4月):桜シーズンで全国的に需要が集中し、競争が激しくなりやすい時期です
  • 夏(7〜9月):家族層やグループの割合が増える傾向にあります
  • 秋(10〜11月):紅葉を目当てにした個人客が増えやすく、狙い目になりやすい時期です
  • 冬(12〜2月):スキー地帯と都市部で地域差が鮮明になります

自店の商圏がどの波に乗りやすいかを見極め、その1〜2ヶ月前から情報発信を強めておくのがおすすめです。

事例:需要の波を取り込めた店、取りこぼした店

抽象的な話が続いたので、実際の分かれ道を見てみましょう。ここでは店名を伏せた形で、2つの対照的なケースを紹介します。数値はいずれもおおよその傾向としてご覧ください。

取り込めた例:GBPと投稿更新の強化で外国人来店が増えた都内の飲食店

ある都内の飲食店では、当初GBPが未登録で、外国人の来店はほとんどありませんでした。転機になったのは、訪日客からの問い合わせがぽつぽつ入り始めたのに、受け皿がまるでなかったことです。

そこでGBPを登録して多言語の情報を整え、メニュー写真を20枚以上掲載しました。あわせて口コミ獲得のためのQRコードを店内に設置し、週2回のペースで投稿を更新していったといいます。地道な作業ですが、続けたことが効いたようです。

その結果、約6ヶ月で外国人来店比率が15〜20%程度まで高まったとされています。派手な広告費をかけたわけではなく、「見つかる・選ばれる」の土台を整えただけという点が示唆的です。

取りこぼした例:増加に気づかず設備が古いままだった小規模カフェ

対照的に、うまく波に乗れなかったケースもあります。2025年まで日本人客を中心に順調だった、ある地方の小規模カフェの話です。

このカフェは、訪日客が増え始めても対応を後回しにしていました。メニューは手書きのまま、キャッシュレス決済はなく、Googleマップにも未登録。結果として、外国人客が入店しても料金が確認できずに戸惑い、注文前に出て行ってしまうことが増えたと見られています。

味やサービスに問題があったわけではありません。「見つかる・選ばれる・満足させる」の準備が間に合わなかっただけで、需要の波は目の前を通り過ぎていったのです。

よくある質問:2026年インバウンド需要に関する疑問

インバウンド需要は今後も増え続けるのか?

2025年は訪日客数・消費額とも過去最高を更新しましたが*1*3、2026年は中国市場の落ち込みにより1〜7月の総数は前年をやや下回っています*2。一方で韓国・台湾・欧米など多くの市場は記録的な伸びを続けており、単純な「増える/減る」ではなく、市場ごとの明暗がはっきりしてきているのが実情です。総数の増減だけでなく、自店の商圏にどの国の客が届いているかで見ることが大切です。

小規模な店舗でも、インバウンド需要を取り込むことは可能か?

むしろ小規模店のほうが有利に働く面があります。個人旅行にシフトした訪日客は「地元で愛される隠れた名店」を探している傾向があるためです。MEO対策と口コミ対応で「見つかる・選ばれる」仕組みを作れば、規模の小ささはハンデになりません。前述の都内の飲食店のように、土台を整えるだけで来店比率が変わることもあります。

中国人客と他国、どちらを重視すべきか?

どちらか一方ではなく、国ごとに対策を変える発想が有効です。中国人客は団体から個人へと質が変化しており、口コミや多言語対応の精度が来店を左右するようになっています。同時に、韓国・台湾からのリピーターや、タイ・ベトナムなどからの初訪日客も増加傾向にあり、それぞれ来店の動機が異なります。特定の国に依存しすぎない体制づくりが、市場の変動に強い店をつくります。

今から始めれば、需要増加に間に合うのか?

最低限の対応であれば、十分間に合う可能性があります。三要件のうち最も早く効果が出やすいのはGBPの整備と口コミ対応で、1ヶ月ほどで変化が見え始めることも珍しくありません。なお、スタッフの多言語対応やキャッシュレス決済の導入には時間がかかるため、今週中に優先順位を決めておくことが分かれ道になります。

まとめ:2026年のインバウンド需要は「一様な波」ではなく「市場ごとの流れ」

2025年、訪日客数と消費額はいずれも過去最高を更新しました*1*3。ただし2026年に入ってからは、市場によって明暗がくっきり分かれています*2。総数の増減だけを見ていると、この変化には気づけません。だからこそ、「自店にどの国の客が来やすいか」を具体的に把握し、準備した店にだけ需要が入り込む——そんな「不均等成長」の構造を前提に動く必要があります。

動くなら今月中です。今週はまずGBPの空欄を埋め、写真を追加し、外国語の口コミに一つずつ返信を始めてみてください。来週にはキャッシュレス決済と指差しメニューの導入を検討し、今月中に「自店はどの国・どの季節の波を狙うか」を一つに絞りましょう。整えた土台の一つひとつが、次に来る訪日客の「ここにしよう」という判断を後押しするはずです。

インバウンドマーケティングジャパンでは、MEO対策代行から多言語対応支援、Instagram・REDを使ったSNSマーケティングまで、インバウンド集客を一気通貫で支援しています。「訪日客が増えているのに自分の店には来ない」「何から手をつければいいか分からない」とお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

参考・出典

  1. 訪日外客数(2025年12月・年間推計値)|JNTO(日本政府観光局)
  2. 訪日外客数(2026年7月推計値)|JNTO(日本政府観光局)
  3. インバウンド消費動向調査2025年暦年(速報)|国土交通省観光庁

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