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SNS Guide

訪日客向けSNS運用の始め方

訪日客は、出発前にSNSや動画サイトで店を探します。Instagramを土台に、国ごとに足すSNSを1つ決める方法を、統計と公式の情報で整理しました。

最終更新

結論:Instagramを土台にして、国ごとに1つ足す

「インスタやTikTokを始めたほうがいいと聞くけれど、何から手をつければいいのか分からない」。そう迷う店長やオーナーは多いはずです。日本語の解説は代理店の案内が中心で、国ごとの違いや、設定の正確な手順が見えにくいのが実情です。

先に答えを書きます。1つ目は、Instagramのプロアカウントと位置情報を整えて、土台にすること。Instagramは、主な国のほとんどで利用者の多いSNSの2〜3番目までに入ります。ただし1位のSNSは国で違うので、2つ目として、いちばんお客様の多い国に合わせて、足すSNSを1つ決めます。台湾・香港・タイはFacebook、韓国はNAVERブログ、米国・豪州はYouTubeです。3つ目は、店名・住所・営業時間の書き方を、どの媒体でもそろえることです。

例外が2つあります。中国のお客様はInstagramを使えないので、小紅書になります。タイはInstagramの届く割合が28.7%で、Facebookの71.9%やLINEの78.2%より小さく、Facebookが先です。この記事は、飲食店・サロン・体験施設など来店型の店舗向けに、足すSNSの選び方、設定、言語、投稿、ショート動画、店頭の工夫、インフルエンサー、測り方、任せる場合の費用を順に説明します。

知りたいこと先に結論くわしい節
なぜSNSが要るか出発前に役立った情報源は、SNSが43.3%、動画サイトが39.6%訪日客に要る理由
なぜInstagramが土台か主な国のほとんどで2〜3番目までに入るInstagramを土台にする理由
国ごとに何を足すか台湾・香港・タイはFacebook、韓国はNAVERブログ、米国・豪州はYouTube、中国は小紅書国別の攻め方
最初に何をするかプロアカウントにして、住所はFacebookページから登録するアカウントの準備
ハッシュタグは何個か1投稿5個まで投稿の作り方
無料の食事で投稿を頼めるか頼めるが、「PR」などの表示が要るインフルエンサーを招く場合
任せると費用はいくらか当社は初期10万円、Instagramは月10万〜50万円任せる場合

訪日客に要る理由:出発前の情報源は SNS 43.3%・動画サイト 39.6%

訪日客は、日本の店のことをほとんど知らずに出発します。だから、来日の前に何で調べるかが、店を知ってもらう入口になります。

観光庁の「インバウンド消費動向調査」によると、出発前に役立った情報源(複数回答)は、1位がSNSで43.3%、2位が動画サイトで39.6%、3位が個人のブログで23.9%でした(観光庁 2025年)。さらに、滞在中に役立った情報では、飲食店が56.0%でした。

出発前に役立った情報源(全体)割合
SNS43.3%
動画サイト39.6%
個人のブログ23.9%
自国の親族・知人19.9%
JNTOのホームページ12.2%
口コミサイト11.0%

国・地域別に見ると、1位が分かれます。韓国と中国はSNSが1位、台湾・香港・タイ・米国・豪州は動画サイトが1位でした(観光庁 2025年)。SNSと動画が大きな入口になっているのは共通で、その中でどのSNSを使うかが国で違います。次の節から、土台と、国ごとに足すSNSを見ていきます。

Instagramを土台にする理由:主な国のほとんどで2〜3番目までに入る

最初に整えるSNSは、Instagramです。理由は、国を選ばずに使えることです。次の表は、各国で広告が届く人数が、人口の何%にあたるかを示したものです。

国・地域YouTubeFacebookInstagramTikTokThreads
韓国83.1%13.6%49.5%26.2%8.5%
台湾78.4%74.9%52.6%43.7%28.8%
香港84.4%63.6%54.8%—21.0%
タイ65.9%71.9%28.7%——
米国73.0%56.8%52.3%55.7%7.1%
豪州77.7%65.3%56.0%51.2%5.0%

広告が届く人数の推計(DataReportal Digital 2026)。TikTokは18歳以上に対する割合

タイを除く5つの国・地域で、Instagramは約5割に届いています。韓国ではYouTubeとKakaoTalk(95.1%)の次、台湾・香港ではYouTubeとFacebookの次です。米国のPew Research Centerの調査(2025年)でも、成人の利用はYouTube 84%、Facebook 71%、Instagram 50%の順でした。台湾のTWNIC「2025 台灣網路報告」では、最も使うSNSはFacebookが45.59%、Instagramが18.70%で、Instagramは2位です。

JNTO(日本政府観光局)も、21の市場に向けてInstagramで発信しています。

ここで押さえたいのは、どの国でもInstagramが1位ではないことです。1位のSNSは国で違います。だからInstagramは土台にして、次の節で、国ごとに足すSNSを決めます。

国別の攻め方:足すSNSは国で違う

お客様の国ごとに、足すSNSを1つ決めます。2列目は、JNTOが2026年10月21日に公表した、2026年1〜9月の訪日客数と前年同期比です。

国・地域2026年1〜9月の訪日客(前年同期比)土台足すSNS理由
韓国8,262,700人(+21.6%)InstagramNAVERブログ出発前の情報源で個人のブログが42.9%(観光庁)。Facebookは13.6%と低いので足さない
台湾5,997,600人(+19.1%)InstagramFacebook+ThreadsFacebookは74.9%で、最も使うSNSでも45.59%。Threadsは28.8%に届き、TWNICで3位
中国3,335,500人(-55.5%)Instagramは使えない小紅書Instagramが使えないため、中国で使われるSNSで発信する。JNTOも中国市場向けには微博などで発信
米国2,522,800人(+5.2%)InstagramYouTube出発前の情報源は動画サイトが43.0%で1位(観光庁)。YouTubeは成人の84%が使う(Pew)
香港1,963,300人(+7.7%)InstagramFacebookFacebookは63.6%に届く
タイ835,400人(+2.4%)InstagramFacebook+TikTokInstagramは28.7%で、Facebook 71.9%・LINE 78.2%が先
豪州771,900人(+2.2%)InstagramYouTube出発前の情報源は動画サイトが43.9%で1位(観光庁)。YouTubeは77.7%に届く

表で目立つのは、2026年の中国です。訪日客は前年同期の半分以下になっています。一方、韓国と台湾は前年より約2割増えています。

韓国:NAVERブログに書いてもらう

韓国のお客様に向けては、現地の人にNAVERブログで紹介してもらう形が合います。観光庁の調査では、韓国の訪日客が出発前に役立った情報源は、SNSが47.1%、動画サイトが43.8%、個人のブログが42.9%で、ブログの割合がほかの国より高く出ています。広告が届く割合は、YouTubeが83.1%、Instagramが49.5%、Facebookが13.6%で、Facebookは低く、足しません。招き方は、インフルエンサーを招く場合と同じです。

中国:Instagramは使えないので小紅書

中国のお客様はInstagramを使えません。中国向けは、小紅書が中心になります。くわしい始め方は、小紅書の記事にまとめました。

タイ:Facebookが先

タイは、Instagramが28.7%、Facebookが71.9%、LINEが78.2%です。Instagramだけで出すと、届く人が限られます。Facebookページを先に整え、ショート動画でTikTokにも出します。

台湾:Facebookが中心、Threadsも使える

台湾は、Facebookが最も使われるSNSです(TWNIC 45.59%)。Threadsも広告が届く割合が28.8%あり、TWNICの「最も使うSNS」では3位です。Facebookページを整えて、余力があればThreadsにも同じ内容を出します。表の国の中で、Threadsが広く届いているのは台湾です。

米国・豪州:YouTubeを足し、Googleマップも整える

観光庁の調査では、出発前に役立った情報源の1位は、米国・豪州とも動画サイトでした(米国43.0%、豪州43.9%)。SNSは米国が35.4%で3位、豪州が38.4%で2位です。ショート動画で撮った1本をYouTubeショートにも出し、店の雰囲気や行き方が分かる動画をYouTubeに置きます。

口コミサイト(トリップアドバイザー等)も、米国で18.6%、豪州で22.9%が役立ったと答えています。店の口コミや写真、営業時間はGoogleマップでも見られるので、あわせて整えます。くわしくはMEO対策とはにまとめました。

国別の費用の比べ方はインバウンド対策の費用相場に書きました。まず、予約や会計で分かる国別の割合を見て、多い国から手を付けましょう。

SNSごとの役割:店を探す人に届くか、知らない人に届けるか

SNSは、役割が違います。店の名前や地名で調べる人に見つけてもらうSNSと、まだ店を知らない人に動画で届けるSNSがあります。位置情報タグを付けられるかも、あわせて整理します。

SNS向いている国得意なこと位置情報タグ
Instagram台湾・香港・米国・豪州・韓国(土台)店名や地名で調べる人に、写真と動画で見つけてもらう付けられる
Facebook台湾・香港・タイ店の基本情報の置き場。ページの住所は、Instagramのマップとつながるページに住所を登録する
Threads台湾短い文章と写真での近況の発信付けられる
YouTube(ショート)米国・豪州・韓国・香港動画で探す人に届く付けられる
TikTok台湾・米国・豪州・タイまだ店を知らない人に、おすすめの画面で動画を届ける付けられる
NAVERブログ韓国現地の人に書いてもらい、検索で見つけてもらう—
小紅書中国Instagramの代わりに、中国のお客様に店を知ってもらう—
LINE・X—店側からの発信の土台にはしない。Xの広告到達は韓国20.1%・台湾26.0%・米国28.5%・豪州17.5%・タイ18.6%で、Instagramより小さい。LINEは友だち登録した人にしか届かない—

位置情報タグの出典:Instagramヘルプ、Metaの開発者向け文書(Threads)、YouTubeヘルプ、TikTokサポート。Xの数字はDataReportal Digital 2026

つまり、Instagramで「店を探す人」に見つけてもらい、ショート動画で「店を知らない人」に届ける、という分け方になります。国ごとに足すSNSは、前の節で決めたものです。

アカウントの準備:Instagramはプロアカウント、住所はFacebookページから

投稿を始める前に、土台になる設定を整えます。Instagramで、ここがいちばん差が出ます。

プロアカウントに切り替える

お店は、個人のアカウントのままにせず、プロアカウントの「ビジネス」にします。小売・地域のお店・ブランド向けの種類で、インサイト(投稿を見た人数や反応の数字)、連絡先ボタン、カテゴリの表示、広告が使えるようになります。切り替えは、プロフィールから「その他」→「設定とアクティビティ」→「アカウントの種類とツール」→「プロアカウントに切り替える」→「ビジネス」の順です。プロアカウントは、非公開にできません。

プロアカウントの設定には「発見を促進」があります。オンにすると、投稿が検索エンジンの結果に表示されることがあります。

プロフィールには、予約ページか公式サイトのリンクを1つ置きます。投稿を見て気になった人が、次に迷わず動けるようにするためです。

住所はFacebookページから登録する

店の場所をマップに出す方法は、Facebookページの住所を編集して、Instagramのタブと連携することです。連携から48時間以内に、店の場所がマップに出て、投稿でタグ付けできるようになります。台湾・香港・タイ向けに足すFacebookのページも、このときに同時に用意できます。

投稿時の位置情報は、既存の場所から選ぶ決まりです。Instagramの投稿画面から新しい場所を作ることはできません。そのため、店名・住所・電話番号・営業時間は、Facebookページ、Googleマップ、自社サイトで書き方をそろえておきましょう。店名の表記が媒体ごとに違うと、旅行者は同じ店だと気づけません。Googleマップの整え方はMEO対策とはで説明しています。

TikTokはビジネスアカウントにする

TikTokを足すときも、店はビジネスアカウントに切り替えます。プロフィールには、予約ページや公式サイト、Googleマップなど、来店に必要な情報へのリンクを置きましょう。

言語の選び方:英語と、台湾・香港向けは繁体字を自分で書く

観光庁の調査では、出発前に役立った情報の言語は、英語と中国語(繁体字・簡体字)がほぼ同じ割合でした。英語だけで足りると考えず、狙う国の言語を決めます。

Instagramは、投稿・コメント・プロフィールを、書かれた言語と閲覧者の言語設定に合わせて自動で翻訳します。対応している言語なら、閲覧者の画面に「翻訳を見る」が出ます。ただし、多言語の投稿のための専用機能ではありません。

リールのAI翻訳は、2025年10月にMetaが英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・日本語・韓国語などへ広げました。対応言語に中国語は入っていません。台湾・香港のお客様に向けるなら、字幕とキャプションの繁体字は、店のほうで用意しておきます。

実際の書き方は、次のように分けると続けやすくなります。

  • 英語と、狙う国の言語(台湾・香港は繁体字、韓国は韓国語)を、キャプションの中で段落を分けて並べます。
  • プロフィール文も、同じ言語で書きます。何の店か、どんな料理や体験があるかが一目で分かるようにします。
  • ハイライト機能に、メニュー、営業時間、アクセス、予約方法をまとめておきます。
  • 翻訳ツールで下書きを作った場合は、その言語が分かる人に見てもらってから出します。

投稿の作り方:何を撮るか、ハッシュタグは5個まで

旅行者は、言葉が通じない分、写真と動画で判断します。ここからは、店の現場で撮れるものを中心に整理します。

何を撮るか

撮るもの伝わること
料理・施術・体験の様子何が楽しめる店か。湯気や盛り付けの瞬間など、動きのあるものは動画に向く
メニュー表・料金表何がいくらか。写真に撮って、外国語の表記があるかを見せる
店の入口と看板探すときの目印。ビルの中の店は、フロアや階段も撮る
最寄り駅からの道順迷わずに着けるか。徒歩のルートを短い動画にする
支払い方法・予約方法現金だけか、カードやQRが使えるか。予約は要るか

お客様が映る場合は、必ず本人の許可を得ます。また、キャプションの最後には、「予約はプロフィールのリンクから」のように、次にしてほしい行動を一言入れておきましょう。

リールと位置情報タグを組み合わせる

リールの動画にも、位置情報を付けます。編集のあと、「位置情報を追加」から店の名前を検索し、候補から選んでシェアします。位置ページには、同じ場所の投稿が並ぶので、タグが付いていれば店の投稿をまとめて見てもらえます。

  • 最初の数秒で、何の店かが分かる映像にします。
  • 字幕を入れて、音を出せない場所でも伝わるようにします。
  • 位置情報は、店の実際の場所にだけ付けます。関係のない場所のタグを付けるのはやめましょう。
  • タグが見つからないときは、店名の綴りを正式名称で検索し直します。Facebookページの住所を連携した直後は、反映まで48時間ほどかかります。

ハッシュタグは1投稿5個まで

Instagramのヘルプによると、1つの投稿に使えるハッシュタグは最大5個です。6個以上付けると、コメントが投稿されません。ハッシュタグはキャプションにもコメントにも付けられ、公開アカウントの投稿は、ハッシュタグのページに表示されます。

5個の使い方は、たとえば、地域名、料理や体験の名前、店名のタグに分けます。地名と料理を組み合わせると、旅行者が調べる言葉に近づきます。

また、Instagramの検索結果の並びには、共有された時期、他のユーザーの反応、Metaの推奨ガイドラインへの適合が関わります。

ショート動画:1本撮って、リール・TikTok・YouTubeショートに出す

ショート動画は、1本撮って、リール、TikTok、YouTubeショートに出します。撮影の手間は1回で、まだ店を知らない人にも届く場所が3つに増えます。広告が届く割合は、TikTokが台湾で43.7%、米国で55.7%、豪州で51.2%、YouTubeが米国で73.0%、豪州で77.7%です(DataReportal Digital 2026)。

TikTokは、おすすめの画面で、まだ店を知らない人にも動画が届く仕組みです。TikTokの公式サポートによると、おすすめに表示される動画は、複数の要素で決まります。視聴時間などの反応、コンテンツの情報(楽曲、ハッシュタグ、視聴数、コンテンツが公開された国)、閲覧者の言語・位置・端末の設定です。通常は、反応が他の要素より重く見られます。検索でも、ハッシュタグと閲覧者の言語・位置が要因になります。

お店の側でできることは、次のとおりです。

  • 最後まで見てもらえる動画にします。冒頭で何の店かが分かるようにして、短くまとめます。
  • 字幕を付けます。閲覧者の言語に近い字幕があるほど、内容が伝わります。
  • 位置情報を付けます。TikTokの投稿画面では、位置情報の候補は、人気度・距離・投稿内容をもとに並びます。候補に出ない場所は付けられません。YouTubeにも、動画の場所を付けられます。
  • ハッシュタグは、地名と料理や体験を組み合わせて付けます。

TikTokの投稿画面では、説明、ハッシュタグ、ユーザータグ、位置情報、リンクを設定できます。写真の投稿は、最大35枚まで載せられます。動画の撮影や編集が負担なら、写真を並べた投稿から始める方法もあります。

店頭でできること:来店客に投稿と位置情報タグを頼む

費用がかからず、いちばん早いのは、店頭でお客様に頼むことです。席やレジの近くに「撮影・投稿は自由です」の案内を置き、店の位置情報タグとハッシュタグを書いておきます。お客様が付けてくれた投稿には、「いいね」やコメントで反応しましょう。投稿を店のアカウントで紹介したいときは、投稿した人の許可を得てからにします。

ただし、頼み方には注意が要ります。消費者庁のQ&Aに、店に関わる例があります。

店のやり方消費者庁のQ&Aで言えること
街頭で試供品を配り、投稿をお願いする不特定多数に向けたものなら、通常は規制の対象外
割引と引き換えに、予約サイトへ口コミを書いてもらう内容の指示がなければ、通常は対象外。「星5」や推奨コメントを条件にすると、対象になる
ハッシュタグ投稿のキャンペーンをする感想を自由に書いてもらうだけなら、通常は対象外。「毎日食べたい美味しさ」のような具体的な文言を条件にすると、対象になる

つまり、お願いするのは「撮影と投稿」までです。内容や評価を指定する頼み方は、ステマ規制の対象になります。お願いの文言は、「感想はご自由に」としておきましょう。

インフルエンサーを招く場合:無料の食事でも「PR」の表示が要る

店が発信者を招いて、投稿してもらう方法もあります。対象の国で影響力のある人を選び、依頼の内容と条件は文書で決めておきます。韓国ならNAVERブログを書く人、中国なら小紅書の発信者が、その相手です。ここで押さえるのが、ステルスマーケティング(ステマ)の規制です。

2023年10月1日から、広告であることを隠す表示は、景品表示法の違反になりました。令和5年内閣府告示第19号に基づく規制です。消費者庁の資料から、店に関わる点を整理します。

論点消費者庁の資料で言えること
規制を受ける人広告主の事業者。インフルエンサーなどの第三者は、この告示の対象ではない
事業者の表示になる場合事業者が投稿を依頼した場合。明示の依頼がなくても、やり取りの様子、対価の有無、取引の継続性などから、該当し得る
対価お金に限らず、物品も含む。無料の食事の提供と引き換えに投稿を頼む場合は注意が必要
表示の方法「広告」「PR」などと書く。または「A社から提供を受けて投稿」と書く

つまり、無料でお出しして投稿を頼むなら、投稿に「PR」などの表示をしてもらう必要があります。店の側が、頼むときに伝えておきましょう。

また、依頼したインフルエンサーの投稿を、自社サイトで「お客様の声」として載せるのは、不適当とされています。載せたいときは、広告や紹介として載せます。

頼む前に、次のことを決めておくと安心です。

  • 目的。認知か、予約か、来店か。目的で、頼む人も内容も変わります。
  • 公開前の確認。事実と違う内容が出ないよう、公開前に見せてもらえるかを決めます。
  • 費用の条件。投稿の数、期間、二次利用の可否を、見積もりの内訳として書面でもらいます。

測り方:保存・位置ページ・会計時の聞き取り

フォロワー数は見栄えのよい数字ですが、来店とは直結しません。見たいのは、来店に近い行動です。

見るもの見方
会計時の聞き取り「どこで店を知りましたか」と尋ねる。選択肢には、Instagram、Facebook、Threads、YouTube、TikTok、NAVERブログ、小紅書、Googleマップを並べ、国と一緒にメモすると、どの国のどのSNSが効いたかが分かる
インサイトプロアカウントで、投稿のリーチ、再生、保存、シェアなどを見る。保存の多い投稿から、見た人が気になった店や料理が分かる
位置ページ店の位置ページに、お客様のタグ付き投稿が増えているか。どの国の人がどんな写真を撮るかが分かる
予約・問い合わせ外国語での問い合わせや予約が増えているか。経路を聞いておく

来店経路は、把握できていない店が多いのが実情です。飲食店ドットコムが2023年9月に飲食店370店に行った調査(やまとごころ掲載)では、来店経路を「わからない」とする店が半数を超えていました。まず、会計のときに一言聞くところから始めましょう。

1か月で判断せず、旅行の季節も踏まえて、数か月単位で見ます。

よくある失敗

  • 国を決めずに、英語だけで出す。出発前に頼る情報源も、使う言語も、国で違います。
  • 韓国向けにFacebookを中心にする。韓国でFacebookが届くのは13.6%です。NAVERブログに書いてもらう形にします。
  • タイ向けにInstagramだけで出す。タイはInstagramが28.7%、Facebookが71.9%で、Facebookが先です。
  • ハッシュタグを付けすぎる。6個以上付けると、コメントが投稿されません。5個までに絞ります。
  • 自動翻訳に任せきりにする。リールのAI翻訳の対応言語に中国語は入っていないため、台湾・香港向けの字幕とキャプションは自分で用意します。
  • 店名や営業時間の書き方が、媒体ごとに違う。Facebookページ、Googleマップ、プロフィールで同じにします。
  • 無関係な場所のタグを付ける。実際の店の場所だけに付けます。
  • 割引と引き換えに、「星5」や決まった文言の投稿を条件にする。ステマ規制の対象になります。
  • 来店客に経路を聞かない。何が効いたのか分からないまま、続けることになります。

任せる場合:費用の目安と頼む範囲

多言語の投稿を続けること、撮影や編集、数字の振り返りは、店の担当者だけで続けるのが大変な作業です。任せる場合の費用の目安を示します。

ほかの会社の料金は、インバウンドSNS運用代行の会社32選で、国・地域ごとに比べています。

当社(IMJ)の料金

当社のInstagramとTikTokの運用代行の料金です(税別・1アカウント、5店舗までの料金。広告費は別途)。くわしい内容はSNS運用とTikTok運用代行に載せています。

プラン初期費用月額内容
Instagram運用代行 ライト10万円10万円来店につながる投稿を多言語で設計し、運用まで担当
Instagram運用代行 スタンダード10万円25万円ライトの内容に、月1回のオンライン打ち合わせが付く
Instagram運用代行 プレミアム10万円50万円ライトの内容に、月1回のオンライン打ち合わせが付く
TikTok運用代行10万円〜15万円20万円〜30万円企画・制作・投稿・分析。撮影込み・動画週3本

自店と会社で、作業を分ける

作業自店が向いている任せるのが向いている
アカウントと位置情報の設定最初の1回だけなので、店で整えられる複数店舗で、一度にそろえたい場合
写真・動画の撮影料理や店内は店の担当者が撮れる週に何本も、続けて出したい場合
外国語の翻訳と返信その言語が分かるスタッフがいる場合複数の言語で、続けたい場合
数字の振り返り会計時の聞き取りは、店でしかできないインサイトの分析と、次の企画までまとめたい場合
インフルエンサーの手配条件を店で決められる場合候補選びと条件交渉を任せたい場合

アカウントは、必ず自店の名義で持ちましょう。会社に運用を頼む場合も、ログインの権限が会社だけにならないようにしておくと、契約が終わっても残ります。

よくある質問

Threadsはやるべきですか?

台湾のお客様が多い店は、Facebookのあとに足す価値があります。台湾はThreadsの広告到達が28.8%で、TWNICの「最も使うSNS」でも3位です。韓国は8.5%、米国は7.1%、豪州は5.0%なので、台湾以外の店は、Instagramとその国のSNSを先に整えましょう。くわしくは台湾をご覧ください。

TikTokとリールは、同じ動画でよいですか?

同じ動画で構いません。1本撮って、リール、TikTok、YouTubeショートに出します。字幕はそれぞれの言語に合わせ、位置情報はそれぞれで付けます。くわしくはショート動画をご覧ください。

中国のお客様には、どうすればよいですか?

中国のお客様はInstagramを使えないので、小紅書になります。JNTOも中国市場向けには、微博などで発信しています。くわしくは中国をご覧ください。

何か国語で書けばよいですか?

最初は、英語と、いちばんお客様の多い国の言語の2つで足ります。台湾・香港は繁体字、韓国は韓国語です。リールのAI翻訳は中国語に対応していないため、字幕とキャプションは店のほうで用意します。くわしくは言語の選び方をご覧ください。

個人アカウントのままでもよいですか?

お店のアカウントは、プロアカウントの「ビジネス」にするのがおすすめです。インサイト、連絡先ボタン、カテゴリの表示、広告が使えるようになります。住所はFacebookページから登録します。くわしくはアカウントの準備をご覧ください。

参考資料

  1. 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年 年次報告書」
  2. JNTO「訪日外国人客数」(2026年1〜9月・10月21日公表)
  3. JNTO「ウェブサイトやSNSを通じた訪日観光情報の提供」
  4. DataReportal「Digital 2026: South Korea」
  5. DataReportal「Digital 2026: Taiwan」
  6. DataReportal「Digital 2026: Hong Kong」
  7. DataReportal「Digital 2026: Thailand」
  8. DataReportal「Digital 2026: The United States of America」
  9. DataReportal「Digital 2026: Australia」
  10. TWNIC「2025 台灣網路報告」
  11. Pew Research Center「Americans' Social Media Use 2025」
  12. Instagramヘルプ「ハッシュタグ」
  13. Instagramヘルプ「投稿に位置情報を追加する」
  14. Instagramヘルプ「ビジネスの場所をInstagramに追加する」
  15. Instagramヘルプ「投稿・コメント・プロフィールの翻訳」
  16. Instagramヘルプ「プロアカウント」
  17. Meta「リールのAI翻訳」(2025年10月9日)
  18. Meta for Developers「Threads 位置情報タグ」
  19. YouTubeヘルプ「動画の場所を追加する」
  20. TikTokサポート「おすすめの仕組み」
  21. TikTokサポート「投稿の作成」
  22. 消費者庁「ステルスマーケティング規制について」
  23. 消費者庁「事業者が講ずべき表示等の管理上の措置」ほか運用基準(令和5年3月28日)

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インバウンドマーケティングジャパン(IMJ)は、飲食店・サロン・宿泊施設の訪日客集客を、戦略から運用まで一社で担当する会社です。Googleマップの多言語対策、口コミ、SNS、広告を、専任の担当がまとめて回します。

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